INTERVIEWEE
有限会社 阿吹運送店(あぶきうんそうてん)
次長 阿吹 成駿 さん(32)
三代にわたって誠実に
阿吹さんは、1960年創業の阿吹運送店三代目。「戦後の高度経済成長期に、祖父が馬車で土砂運搬からスタートし、お客様のご要望に1つずつ応えながら、少しずつできることを増やし、信頼を獲得してきました。依頼者の大切な想いを受けとめ、希望通り届けようという信念は、父の代になった今も受け継がれ、社員全員共有しています」。2トン車、4トン車をメインに通常の貨物輸送から引っ越し荷物、一般廃棄物・産業廃棄物収集運搬まで幅広く対応。小回りが利き、「今から走って!」の急な対応も任せられる会社として、地域にしっかり根を下ろす。
阿吹さんの生家は、会社のすぐそば。「トラックが身近にあり、物心ついた頃から後継を意識していました」。大学で経営学を専攻し、他所で経験を積もうと人材派遣会社に就職。「しんどくても逃げ帰るのは嫌で、売上目標を達成し、この仕事が楽しくなったら帰ろうと決めて励みました」。上方修正を重ね、丸2年で売上目標を大きく上回ったタイミングで、阿吹運送店に加わった。「マナーや人を見る目はこのとき培ったものが大きいです」。
貴重品運搬や引っ越しも任せて
精密機器や家具、植木など養生が必要な物の運搬にも定評がある。コンサート時など楽器輸送のシェアは、福山市内の中学校で約7割、高校は軽く9割以上という数字が信頼の証だ。あしだ川花火大会ではユニックを使って緊急用ボートを輸送、ばら祭や菊花展では、丹精込めた鉢も運んだ。「かけがえのない品のご依頼も多くいただきます。他にも、七夕用の笹の依頼を受けて切り出しからした時は、子どもたちの夢を運ぶんだ!と声を掛け合いました」。気概を持って臨んでいる。
こうした経験をいかして近年は、対個人の業務にも力を注いでおり、引っ越しや店舗移転時以外でも、不用品や粗大ゴミの処分、遺品整理など、片付けの困りごとにも対応してくれる。「タンス1つでも収集できます。急な荷物も気軽にお問合せください」。
感謝の想いを胸に、物流で恩返し
「阿吹運送店に頼もう、も嬉しいですが、ドライバーの誰々がいいよね、と言われれるような魅力的な人間がたくさんいる会社でありたいです。今、人材教育に力を入れています」。社員全員が毎日、目標や気づき、感謝したいことを文章にして振り返っている。「物流は、誰かが働いて作った品物があって初めて、働かせてもらえます。おかげさまです、という謙虚な気持ちや感謝をを大切に、感動を提供したいです」。
運転好き。現場大好き。家でも家族サービスはドライブという阿吹さんだが、「社員にとって1日のうち睡眠を除く約半分が仕事。人生の半分は会社とも言えるので、やりがいや楽しさも感じられる会社に!」と考えている。
INTERVIEWEE DATA
有限会社 阿吹運送店(あぶきうんそうてん)
福山市地吹町13-2
TEL:084-924-2555