INTERVIEWEE
フジキチ㈱駅前制服館
代表取締役社長 末永 貴久 さん(47)
駅前制服館でお客様に直接
学校や企業、医療・福祉現場などの制服をトータルに取り扱うフジキチ株式会社(本社:卸町)。2024年には、藤沢吉之助氏の創業から100年を迎える。末永さんは4代目社長で、従来、制服の卸業者として、メーカーと小売店をつなぐBtoB(企業から企業)主体の会社だったところ、個人に直接販売するBtoC(企業から消費者)へも力を入れる。
今月、三之丸町にある学生服販売の店舗「駅前制服館」を移転拡大オープンし、より消費者の近くへと舵を切った。現在改装中の、旧リムふくやま正面のビルという好立地で、3階から2階へ。約4倍の面積になり、大きな窓から光が差し込む開放的な空間に、取扱い校の制服を着せたトルソーをゆったりと配置している。「コロナ禍でも安心して採寸してもらえるように」と3つの試着ルームが並ばないよう距離を取り、大型空気清浄機を常時稼働させる。さらに「採寸を待つ間、保護者の方にくつろいでもらい、コロナが落ち着いたあとは、ここでお茶でも」と、カフェのようなテーブル席やソファ席まで。2004年にオープンしたとき以来の大改装になった。
制服業界にも転換期
現会長の次男として生まれ「後継と思っていなくて、大学卒業後もまだ進路を迷っていた」と言うが、いったん心を決めると制服一筋。当時のテイコク㈱(トンボ学生服)に入社し、6年間研鑽を積んでからフジキチヘ。トンボ学生服の県内唯一の販売代理店として両社の橋渡しをしながら、メーカーと共同で制服等の提案もする。新年度から、城北中に採用されるリュックも、兵庫県の豊岡鞄と共同で企画・製作した。
特に今は、学生服の転換期。詰襟&セーラーから、ブレザーへ切り替わる学校が増え、城北、鷹取、東中の制服も取り扱う。「女子もスラックスでというニーズに対応できます。あわせも一緒の男女共用デザインを導入した学校もあり、お下がりを着るケースも増えるでしょう。制服の世界にもジェンダーレスやSDGsの流れが来ています。社会の情勢を読んで先取りし、提案していきたい」と語る。
まもなく100年、次の100年
まもなく百年を迎えるフジキチ。ただ卸す、売るだけではない役割を求められているとも感じる末永さんは、「不易流行」を座右の銘に掲げる。「先代から続く守るべきもの、時代に応じて変わっていくものを見極めなくては」。震災時の制服無償提供、障がいやアレルギー対応のイージーオーダー、フジキチの名を冠したソフトテニス大会開催、所属する福山商工会議所青年部のジュニアエコノミーカレッジ推進など、地域や小・中学生との関わりも大切にする。「いつの時代も、お客様からまっ先に声がかかる《ファーストコールカンパニー》でありたい」と展望する。
INTERVIEWEE DATA
フジキチ㈱駅前制服館
福山市三之丸町11-14 SUENAGAビル 2F
TEL:084-923-3675