「チームラボ 福山城 光の祭」がスタートした。
夜の福山城が、色とりどりの光と音に包まれている。
RCC開局70周年、福山城築城400年博として特別開催。
写真や動画は1日の先行内覧会で、天守最上階からの撮影が許可された。
福山城天守前広場では、柔らかな卵形体が、待っている。
「自立しつつも呼応する生命」と名付けられ、
誰かが押した卵から、色と音が波紋のように変化し広がってていく。
会場にいる色々な人の存在が、より美しいアートにしてくれる、この時限りの色合い。
起き上がりこぼしのように倒れない卵は、新たな命の力強さも実感させてくれるようだ。
「福山城の石垣に住まう花とともに生きる動物たち」
花々のモザイクでできた動物が、ゆっくり動いていく。
触れると花が散り、ここでも人の動きに反応してくれる。
福山駅構内をはじめ城の外からも美しく見えているのが、この作品だが、
自身とそこにいる人が作品を動かしているというアートへの参加感覚は、現地ならでは。
そこかしこに、こうした人が近づくことによって明るさや色、音色が変化する仕掛けが随所に散りばめられている。
西の石垣には延々と生み出され続ける擬人化されてた動物や踊り手。
他にも天守曲輪の音楽体験(人の歩く速度によって音色が変わる)、伏見櫓石垣には、光の筆文字で空間に円相を描き続ける「空書」等々。
会期は12月2日から来年1月29日まで。
17時半〜21時半まで(最終入場21時)。
入場料は高校生以上1500円。小中学生600円。
1日の内見会、2日のオープンから始まったのではなく、このイベントは準備期間中からすでに始まっていた。
光を映していない昼間の卵球体も、珍しいオブジェとして、SNSに上がっていた。
試験点灯も注目され、拡散されていた。
それだけ期待が高いイベントということでもあるだろう。
福山菊花展の会期後半で、チームラボの準備と重なることから、菊花展の会場をあらかじめ護国神社前の広場に移すなどし、優先的に進められてきたことからも力の入れ方がわかる。
来年1月29日まで。福山城築城400年のフィナーレを飾るこのロングランイベントは、
きっと多くの人の記憶に、福山城とともに鮮やかに刻まれるだろう。