INTERVIEWEE
ピュアケミカ株式会社
営業本部長 増渕 知之 さん(44)
安全で強力、年末の大掃除にも
「うちの子の靴、本当に臭くて…。そう嘆かれる保護者は本当に多いです。歩いたり運動したり、がんばった結果はむしろ褒められてもいいのですが、放置できないですよね」。そんな悪臭や汚れを、何も無かったように解決してくれる製品を独自に企画、販売しているのが環境&衛生化学薬品専門メーカー・ピュアケミカの増渕さんだ。
“恩人”と慕う化学者の協力で、苛性ソーダや次亜塩素酸といった強力な薬剤に頼らず、除菌・洗浄・漂白・脱臭を一度にこなす洗剤「ピュアクレン」シリーズを開発した。「家じゅうが劇的に綺麗になり、年末の大掃除にも活躍する洗剤で、これで洗えば靴の悪臭も消えます。流しの排水口やパイプもキレイになります。浄化槽も問題ありません」。さらに、毎日靴を洗うわけには…との声に応え、スプレー型消臭剤「ストデオ」も誕生させた。「臭いを風船で包み込むように閉じ込めるんです。肌にも環境にも安心な成分で、外観もシンプルです」。現在は企業との直接契約や、自社ECサイト、Amazonを中心に取扱いを広げている。
紆余曲折が今につながる
増渕さんは栃木県の出身。高校時代は通信制に転じ、母子家庭を支えるために3つのアルバイトを掛け持ちした。「クビにはなれない」と必死に働いた努力が実を結び、卒業時にそのまま大手ファミレスの正社員として迎えられた。「就職氷河期にまさかの声かけでした」。当時、1千店舗達成を目指す同グループで、即戦力のモデルケースとして最年少・最短で昇進し「ギネス店長」とも呼ばれたそうだ。西新涯の店舗立ち上げにあたり福山へ。その後、伴侶を得て東京に戻ったが「妻には土地柄が合わなかったようで…」。打ち明けられた翌日に辞表を提出。25歳で2人の幼子を連れ、再び福山へ戻った。
薬品会社に入社後は、家庭を訪問し、置き薬と健康情報を届ける日々。人の役に立ちたいという思いから薬の登録販売者資格も取得し、十数年にわたって信頼を築いた。そんな矢先、突発性拡張型心筋症を発症。ドクターヘリで搬送され、移植が必要なほどの重篤な状態。「奇跡的に薬が体にあって助かりました」。医師も驚く回復だった。
感謝の思いで「困った」を解決
これを転機に起業を決意。「一度きりの人生、しかも一度死にかけました。支えていただいた全ての人へ、感謝の思いで、困っている人の“あったらいいな”を解決したい」と妻を代表に据え、ピュアケミカを立ち上げた。「飲食業界も薬品会社の経験も今につなげ、誰かに教えたくなるような役立つ商品に心を注いでいます。困っていることも、ぜひ教えてください」。そう呼びかけ、地域や企画と真摯に向き合っている。
INTERVIEWEE DATA
ピュアケミカ株式会社
福山市三吉町3丁目2-16
TEL:084-954-0853

