【手打ちうどん 二代目 杵屋/藤井 一嘉】ー 毎朝打つ自家製麺と秘伝のスープー 伝統の味を愚直なまでにコツコツと

INTERVIEWEE
手打ちうどん 二代目 杵屋(てうちうどん にだいめきねや)
店長 藤井 一嘉 さん(54)

2店舗目のオープンを任されて

 この秋オープンした、うどんの専門店「二代目 杵屋」。沖野上町の本店で店長を務めていた藤井さんが、この新店を任されている。
 本店は昭和49年創業の老舗。二代目でも「先代から教わった」という鯖節をメインにした伝統の味を守る。「鰹節に比べてコクと旨味、甘みが強い濃厚な感じが特徴です。コロナ禍でも変わらない常連さんが多く、慣れ親しんだ店、子どもの頃からある味を守っていくべきだと改めて感じました」。毎朝本店で打っている自家製麺は、やや柔らかめで喉ごしもいい。売れ筋は、牛肉を甘辛に炊いて、ネギと一緒にたっぷり乗せた「肉南蛮うどん」。「天ぷらうどん」も、注文後に揚げるエビと大葉が、スープとの相性抜群で、二代目でも不動の人気という。

自家製麺と杵屋の味を持ち帰り

 コロナ禍での出店について藤井さんは「オーナーから話を聞いたとき、まさかと思いました。ピンチはチャンス。頭の片隅では常に考えていましたが…」。元キャスパのすぐ南という好立地、店構えや人通りを目にし「今後の長いスパンを見越せば、きっと良い判断だったと思える。また、そうなるようにやろう」と心を強くして、乗り出した。新店は新しい日常を実施し、カウンター席に仕切りを置いた上、席を空けて座ってもらう。「一度に入れる人数は減りますが、今は回転率は二の次。その分、私たちスタッフがさらに手際良くします」。
 また、麺とスープを別々の容器に入れ、風味を損なわないテイクアウトも可能。職場などですぐ食べるか、持ち帰って温め直せるかによっても、容器を変えてくれる。「人はどこかで必ず食べないといけない。求められているものを提供したい」と工夫する。

うどん作りは、まじめにコツコツ

 藤井さんが飲食業を選んだのは、大学4年、時はバブル絶頂期。「周りの同級生は給料と休暇など条件で会社を絞り込んでいました。飲食のバイトが楽しくてたまらなかった私だけが、やりたいことで選んだ気がします」。大阪から福山に戻ってホテルの和食調理人として5年間基礎を学び、居酒屋等の厨房へ。10年前に今の会社に就職して、うどんの道へ。「うどんは、奇をてらわず真面目にコツコツ、手を抜かず。それは愚直と言ってもいい繰り返しです。例え違いに気付かれなくても、自分が自信をもって出せるように。これがこだわりです。いい麺やスープを前にするとお迎え時の声のトーンも上がりますね。〝待ってました!〟と。そんな日々です」。
 店休日はロードバイクに跨り峠へ。「力を込めて坂を登り、登り切った先には違う景色が見えてきます。しかし、途中で足を止めたら倒れる…。仕事や人生に通じるものがあるでしょう? 自転車は、しんどくてもその先を信じて気合を入れたいときの特効薬です」。

INTERVIEWEE DATA
手打ちうどん 二代目 杵屋(てうちうどんにだいめきねや)
広島県福山市三之丸町4-22
TEL:084-999-7715

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