INTERVIEWEE
幼保連携型認定こども園 福山暁の星こども園
園長 服部 和也さん(64)
0歳から18歳までの「学院」
80年近い伝統がある福山暁の星学院には現在、乳幼児から小学校児童・中学生・高校生に至る0歳〜18歳が通っている。今年4月には、敷地内にあった幼稚園と保育園が一緒になり、「福山暁の星こども園」が誕生。初代園長の服部さんは「それぞれが大事にしてきた教育や文化、子どもとの向き合い方を大事に、先を見越してつながる一体感、一貫性を大切にしようと話し合っているところです」と穏やかな口調で語る。
広島市の出身で、岡山県内のカトリック系の小学校に30年以上勤務し、校長まで務めた。専門は社会科。退任にあたり暁の星学院に迎えられて、4年目になる。「幼稚園でお役に立てるか最初は戸惑いましたが、実際には現場の先生方が教育をしっかりと確立されていましたので、私は新しい時代の中で、どう変わっていけばよいかに専念できます」。
モンテッソーリ教育と縦割り保育
園の特徴の1つにモンテッソーリ教育がある。主体性を重んじ、自分で選んで自分で決めた活動といった“お仕事”をすることでも知られる。また、異年齢の縦割り保育を採用し、3歳児、4歳児、5歳児が同じクラスで過ごす。「自分がしてもらって嬉しかったことを受け継いで、年長さんたちは下の子たちを助け、お手本になってくれています。下の子は憧れを抱きます」。とはいえ成長の著しい年齢なので、体操や音楽、絵画、英語などは同年齢で活動する。
また園児にカトリック信者が多いわけではないそうだ。「どなたでも通っていただけますよ。カトリックでは、得意なことを神様からいただいた使命として、人のために伸ばしていこうと考えます。園では、目標をもってやること、目に見えないもの、心を大事にと伝えます」。保育だけでなく、教育にもこだわりたいという方が通っておられると感じる、と保護者からの期待にも触れた。
「通ってよかった」園にするために
こども、保護者、先生たちの三者にとって良い園とは?と常に問いかける服部さん。「こどもはこども社会で育つと言われますが、家でしかできない関わりもありますから、親子の時間も大切にして欲しいと願っています」。長い歴史のある同学院では、三世代がここで学ぶこともあるという。「嬉しいですね。ここに通ってよかったと思っていただけたと思いました。WEBやSNSも充実させて、新たなきっかけづくりにも力を入れます。伝統や人、機能…色々な“活かす”が私の今年の抱負です」。
朝6時に岡山の自宅を出て電車通勤。園長室と職員室の境をなくし、演台のような机の前で常に立って職務をこなすため、相談事や資料探しなどスッと動けるフットワークの軽さも強み。休みの日はYoutubeや映画鑑賞をし、情報を受け取るインプットの時間を大切にしている。
INTERVIEWEE DATA
幼保連携型認定こども園 福山暁の星こども園
福山市西深津町3丁目4-1
TEL:084-923-4244