【入江豊三郎本店/入江 里彩】 ー 〈#鞆の浦〉 が広がりますように ー 唯一無二の町と保命酒の魅力感じて

INTERVIEWEE
入江豊三郎本店(いりえとよさぶろうほんてん)
代表取締役社長 入江 里彩 さん(47)

保命酒醸造元の7代目

 「パナマ生まれで、小学校入学前までブラジルにいました。父が南米で働く夢を追っていたのです。その後は母の実家、鞆です」。明治19年(1886年)創業の保命酒とみりんの醸造元、入江豊三郎本店に戻り、店舗2階に暮らしていた。「幼い頃から保命酒は日常でした。夏休みの朝、瓶を洗う音で目が覚めたのを覚えています。両親の経営会議に、こーすりゃぁええ、あーすりゃぁええ、って割り込んでいました」。自由な時間が少ないが、面白い仕事だと思いながら育ったという。
 やがて仕事として店に入ると、酒造りから、店での接客、総務、配達まで、オールマイティに働いてきた。社長就任は3年前。実母・孝子さん(現会長)の後を継いで、7代目となった。

保命酒と関連商品

 保命酒の仕込みは毎年4月。麹米から酵素が出てもち米が糖化し、自然の甘みのある原酒ができあがる。これを調合し、16種の薬味(高麗人参や桂皮、甘草、丁子など)を漬け込んで濾過する昔ながらの製法。新酒ができるのは11月になる。「滋養があり、よく眠れるとの声をいただきます。私は焼酎と半々に割って毎晩飲んで寝ています。出張などで飲めなかった日が続くと、腰から下が岩みたいに重く感じるので、やっぱり違うと実感します」。オンザロックが一般的で、水割り、お湯割のほか、牛乳割り、紅茶割りなどのレシピも教えてくれる。
 保命酒を使った商品の開発にも力を注ぐ同店。ゼリーやサイダーなど約20種があり、特にニッキを練り込み炊き上げた「保命酒のど飴」は大手通販サイトでも人気のヒット商品。入江さん自身もラーメンやお吸い物、福山ブランドに認定された甘酒などを開発。鞆の浦や保命酒をテーマにしたマスキングテープ3種も生み出している。

本店リニューアル、鞆の魅力発信

 11月1日、本店改装オープンに尽力。創業以来、増改築を繰り返した店舗の木材や土壁は活かしながら、酒樽を使った商品展示スペースや古道具が置かれたラウンジ、緑の映える坪庭、鞆の絵が飾られたギャラリー空間、井戸があり飛び石が置かれた露地を整備して、一体感のある姿に蘇らせた。2階は大正レトロな着物のレンタル店に貸し出し、鞆の風情を楽しめる仕掛けを後押ししている。
 「重伝建(重要伝統的建造物群保存地区)のエリアにある建物です。写真映えしそうなスポットを店内にもいくつも設けました。鞆に来てできることを増やし、SNSで〈#鞆の浦〉を増やしたいです」。自店のこと以上に、鞆の浦全体の賑わいを考える発言が印象的だ。「コロナ休業を経験し、お客様のありがたさ、賑わいの大切さを痛切に感じました。住んで癒される、来て楽しめる唯一無二の雰囲気をぜひ感じていただきたいです」と呼びかけた。

INTERVIEWEE DATA
入江豊三郎本店(いりえとよさぶろうほんてん)
福山市鞆町534番地
TEL:084-982-2013

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