INTERVIEW No.873
大日工業(だいにちこうぎょう)
代表 金尾 裕弥 さん(33)
建築の多様なニーズに挑戦
家や建物に関することなら何でも挑戦する。そんなスタイルで仕事に向き合っています。雨漏りの修繕を得意とし、屋根周り、内装工事、アパート管理、店舗改修等々。「専門はこれ」と絞らずに、お客様の求めるものに応えたいと思っています。
とはいえ、なんでも言われる通りにするのとは少し違います。信条として「ノーが言えない人のイエスには価値がない」と考えていて、自分の軸や誇りを持って仕事に向き合いたいのです。例えば、安売りで勝負して仕事の価値を下げたくないという思いがあります。価格だけで選ばれるのではなく、「この人に頼みたい」と思われる関係性を築いていきたいですね。
「腕+誠意」で信頼を築く
建築の世界に入って13年。4年前に独立しました。独立前は、外壁や屋根、雨樋といった、現地での細かな調整や工夫が求められる分野を多く手がけていました。一人前になるには最低10年かかるとされる世界で、親分に鍛えられて、自分の土台ができたと感じています。もうひとりの父親のような存在です。
今は施工だけでなく、営業、打合せ、資材の手配まで一人でこなす日々。県内外を走り回っています。技術力があって当たり前のこの業界では、どんなに腕がよくても、接し方や態度がよくなければ、次の仕事につながっていきません。丁寧な言葉づかいや、自分の作業が終わったあと、次に現場に入る業者が作業しやすいように整えておくような気配りもその一つです。料金に関係なく、誰に評価されなくても、「誠意」の姿勢が大切だと考えています。
最近は、店舗関連の仕事が増え、系列店のメンテナンスや改装など、リピートのご依頼も多くなってきました。
現場を愛し、夢に向かう
社会人になってすぐは、流れ作業が性に合わずいくつか仕事を変えた自分ですが、たどりついた建築の世界は、頭と手を動かし、人と関わり、楽しくてまさに天職です。
現在は個人事業主で、来年には法人化を予定しています。事務所と工場での加工スペースを考え準備中です。日焼けが気になる年齢にもなってきましたが、まだまだがむしゃらです。現状に満足はしていません。「もっとできる、もっと上に行ける」と、自分を信じて進んでいきます。
目標は? と聞かれれば、敢えて「天井を作らないこと」とこたえています。法人化を経て、いつかは全国に支社を持つような会社に育てたいという夢もあります。その一方で、作業服を着て自分の手で、目の前で形になっていく現場が本当に好きで…。そういう気持ちは、何歳になっても忘れたくないですね。実は将来、大好きなお餅の店をやろうという密かな夢も持っています。真剣に、でも少しだけ遊び心を持ちながら、この仕事に向き合っていきたいと思っています。まだまだ、挑戦はこれからです。
■ PROFILE
1992年福山市出身。屋根や雨樋を中心に約10年の修行を経て4年前に独立。現場に立ちながら建築の幅広いニーズに応え、人脈と信頼を築き上げ、来年は法人化を予定。
■ SHOP DATA
大日工業(だいにちこうぎょう)
広島県福山市坪生町2-1-15
TEL:080-8237-4191