【十一寿司/高橋 一裕】魚の目利き・捌き〜調理を経験 これからの十一寿司を創る

INTERVIEWEE
十一寿司(といちずし)
店主 高橋 一裕 さん(47)

十一寿司の歴史を引き継ぐ

 25年にわたって地元で愛された十一寿司。閉店後2年半を経た昨年10月、同じ場所に再びのれんが出た。
「やきにく孫悟空」や「LOVE♥BEEF。」「がブリチキン。」などを運営するFーcrew(株)が、名店を復活させたいと経営に乗り出した。
 これまで肉を中心に展開してきた同社が、寿司業界に参入するに際して入社したのが、店主の高橋さんになる。「近隣の寿司屋を意識する以前に、もともとの十一寿司の存在があります。〝十一は評判の店だった〟というプレッシャーがかかります。でも、その良い部分を受け継いで店作りを進めています」。常連さんや、新しいお客さんから美味しいとの声が届き、手応えを感じているという。

魚と料理に関わる職歴を重ねて

 高橋さんは福山の出身で、高校卒業時に調理師学校への進学を希望したが、家族の反対もあって4年制大学へ。在学中も飲食店でアルバイトをするなどして夢を持ち続け、22歳から大阪に出て10年間、和食料理を修行した。その後、「見る、食べる、捌く。とにかく魚が好き」とスーパーに転職。鮮魚コーナーでさらに7年、新たなキャリアを追加した。 
 帰福した38歳からもスーパーで鮮魚を取り扱い、ここでの5年は、市場での買い付け、値段付けまで任され、売り切りに尽力。「お客様とのやりとりも楽しかった、特別な店だった」と懐かしそうに話す。その働き甲斐を振り切って、悩んだ末に再び料理人になったのは、知り合いからホテル料理人に誘われたから。「料理が中途半端になったと思っていたので。年齢的にも、最後のチャンスだと思いました」。そして今、縁あって十一寿司に関わる。

新しい十一寿司としての挑戦

 ここでは何より、基本を重視。「最後はネタとシャリに尽きると思うので」。寿司職人一筋ではないが、鮮魚を扱った経験はネタの面で大きな強み。小ぶりでやや甘めのシャリも、毎日の気温に応じて米のブレンドや水の量を変えて炊き上げる。そして「常連さんにも初めてのお客様にも、また来たいと思っていただける雰囲気を、店全員で作り上げます」と心がける。
 その上で、KENZOをはじめワインも多く取り揃えたことから「お酒に合う料理、洋テイストの一品も増やしたい」と新たな展開を考える。さらに、メニューに〝時価〟は設けず金額を明記。「安心して召し上がっていただきたいので。土日祝はランチの営業もしています」。気軽に利用して欲しいと呼びかける。
 休みの日は主に子どもと過ごす時間。落ち着いたら長年の趣味、ヘラブナ釣りも復活させたいそうだ。「プライベートも魚ですね。人生で色々な動きをしたと思っていましたが〝芯〟は外してないのかもしれませんね」と微笑んだ。

INTERVIEWEE DATA
十一寿司(といちずし)
広島県福山市若松町10-7
TEL:084-924-3729

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