INTERVIEWEE
学校法人出原学園 すばる幼稚園
理事長・園長 出原瑞子さん(62)
社員、児童生徒、幼児の教育に関わる
駅家町のすばる幼稚園と、府中すばる幼稚園を運営する出原学園の理事長・出原さんは、園長も兼務。これまで幅広い年代の教育に関わってきた。大学で心理学を専攻し、就職先の東京の企業では人事部で新人教育を担当。「研修で頑張れる人、そうでない人がいて、努力では埋めにくい差があると感じていました」。結婚後は千葉に移り、中学高校の教員免許を活かして塾講師になり、その後自宅で開塾。「小中学生をみていても、やはり頑張れる子、そうでない子がいて、勉強を始める前段階が大事かもしれないと思い始めていました」。
26年前、出原さんの父親が、市の北部と新市・府中に私立の幼児教育をと、すばる幼稚園を開園した。曾祖父が戸手高校の前身・至誠高校の創始者で、祖母が理事長を務め、代々教育に携わってきたという流れもあった。だが開園からわずか1年、発表会の日に父親が他界。「弟が後を継ぎ、私も夫と福山に帰ってマネジメントに入りました」。少し伏せた目を上げた後、「そうしたら、なんと面白いこと! ここだ、ここの成長段階できっと、将来が決まってくるのではないか、と次々に気付きがありました」。求めていた答えを得たという。19年前に園長に、6年前に理事長に就任した。
英会話、スイミング、茶道、サッカー等
すばる幼稚園には、特徴的な教育が多数ある。週に1回3年間のスイミング。ビッグラン新市まで大人気のわんわんバスで送迎する。ネイティブによる英会話、炉の切ってある和室で茶道、元日本代表選手によるサッカー指導…。いずれも保育料内で、追加料金は不要。「茶道では“お先に” “どうぞ”などの心を育てることもできます。色々な物に触れ、“好き”を見つけて伸ばす窓口になりたいのです」。また、しっかりほめて、きちんと叱って保護者と共有する教育方針でも知られている。
スペシャルサポートに向けて
2歳のイヤイヤ期の保護者に向けた一時保育にも力を入れ、さらには集団が苦手な子、発達がゆっくりな子に寄り添うスペシャルサポートルームの設置準備が進む。「個人差の範囲なのかすぐ療育が必要なのか判断が難しい年代。専門施設の前のワンクッションとして、今居る集団のままで過ごせるなら、その環境を作りたいです」と考える。
「大変なこともたくさんありますが、毎日のこどもたちとの触れ合いや楽しいエピソードがいっぱいあって、こどもたちの“できた!”が私にとっても原動力です」。笑顔で子どもたちと向き合う出原さん。私的な時間は、国際的奉仕団体「ソロプチミスト福山」で学びながら活動中。今年5月の旅行を「今まで産休育休も取らず駆け抜けてきましたが、先生方の協力で一生分とも思えるバカンスをさせてもらいました」と感謝とともに振り返る。これから大好きな洋裁も楽しみたいそうだ。
INTERVIEWEE DATA
学校法人出原学園 すばる幼稚園
福山市駅家町江良640-1
TEL:084-976-8876