【異業種リレーの「わ」No.707 】「土木工事プラスαの事業確立と発展に挑む」

INTERVIEWEE No.707
株式会社 ビックス(かぶしきがいしゃびっくす)
代表取締役社長 西迫 亨 さん

住宅外構から公共工事まで

 ビックスは来月創業10周年を迎える土木工事会社です。創業者である義父が還暦を迎えた昨秋、正式に私が事業を継承しました。義父は、長く勤めた大手土木会社を早期リタイアし、夫婦でお好み焼き屋を営んでいましたが、現場からサポートを求める声が止まず、起業に踏み切りました。当時、電気工事士の卵だった私は、「継ぐ気があるなら会社を興す」と義父から打診を受けて転職しました。ですから、創業年数が私の土木業界でのキャリアそのものです。
 土木のいろはは義父から学び、工事の進捗管理や現場監督に必要な専門的知識を身につける努力もして、国家資格を含め10種ほどの資格を取りました。また、ダンプ車をはじめ、バックホー、クレーンなどの重機も増やし、社員も10人ほどに増員。半数が20~30代の若手という点が当社の強みでもあります。施工実績は、宅地造成や太陽光発電といった民間工事から、道路整備、河川整備、配水池耐震補強などの公共工事まで幅広く、一般住宅の外構を請け負うこともあります。というのも「数多い土木工事会社の中から、当社を真っ先に頼ってくれた方からの依頼は可能な限り受ける」というスタンスでいるからです。

見て学んで成長

 土木業は体力と気合があれば誰でもできると思っていましたが、大きな間違いでした。これほど頭を使う仕事はないです。電気、水道、ガス、木材、環境と、専門外でも知恵を絞れないと現場監督は務まりません。私は、経験が浅いのに現場で「分からない」と言いたくなくて、図面を何十回も見直し、幾つかの作業工程を想定して出向いていました。当時は技術では追いつけない分、頭を使うしかないと自分を追い込みました。
 最初の頃は失敗ばかりで何度も叱られましたよ。義父からは「人がなぜそう動くか考えながら見ろ」と教わりました。できる、できないは別として、職人の動きを理由付けて見る習慣が付くと、気付きも増えるものです。例えば、泥ひとつすくうのにも、すくう方向でその後の作業がスムーズになります。こうした無駄のない動きが利益を生むとわかるようになりました。同時に会話力も鍛えられました。法改正による作業工程や施工内容の変更の説明も、お客様にわかりやすく伝えられるようになるなど、自分自身の成長を多方面で感じています。
 視野が広がるにつれて、達成感も大きくなっていきました。そもそもが、何もない原っぱに数字だけを頼りに、あらゆる業者と協力しながら設計図通りの構造物を完成させる仕事です。考えれば考えるほど感慨深く、より質の高い仕事をしていかなくてはいけないと襟を正しています。創業当初より、義父の右腕になろうと必死で背中を追いかけてきました。その背中はまだまだ遠いですが、自分の人間性まで鍛えてもらえたことにとても感謝しています。

プレッシャーを原動力に

 土木業界はひと昔前と比べると随分クリーンになりました。願わくば、業界のイメージ自体をやわらかくスマートな印象に変えていきたいです。一般的に、印象は作業員の見た目や仕事ぶりから決まることが多いと思うので、その点を意識した社員教育を進めているところです。
 2代目としてのプレッシャーもあります。けれど、義父が広げてくれた輪を守りながら、私なりのやり方で会社を発展させることが務めと思い、自分自身を鼓舞しています。業界内でも、当社のように世代交代の時期を迎えた会社は少なくないです。今は、そうした次世代を牽引する経営者たちと新たなネットワークを構築し、その中で当社がブレーンとして認識され、しっかり機能していくことを目標に掲げています。そのためには、事業の広げ方がカギになってくるでしょう。私の得意分野である電気外構工事に力を入れるなどして、土木工事だけではない企業だと認知してもらえるように積極的に働きかけていきます。

■ SHOP DATA
株式会社 ビックス(かぶしきがいしゃびっくす)
広島県福山市引野町南2-1-10
TEL:084-983-0700

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