INTERVIEW No.874
リライフガード株式会社
代表取締役 掛谷 朋嘉 さん(47)
警備と建築、珍しい二本柱
リライフガードは、中国四国地方の警備と建築の仕事を通じて、クライアントの資産とお客様の暮らしを守る会社です。
私たちの警備は、いわゆる“万引きGメン”と呼ばれる一般私服保安業務が中心。ほかにも防犯コンサルタント、カスタマーハラスメントやクレーム対応等にも向き合っています。また、西日本で唯一、スキャン端末(セルフレジ)の不正利用にも対応しています。
2020年6月に立ち上げたこの会社も、今では45名の保安員が所属し、その8割が女性です。全国展開する商業施設とも信頼関係を築き、契約社数は今年3月末で150店舗を超えました。
目的は万引き確保ではない
保安員はスーパーや書店などに一般客と同じ服装で入り、周囲の空気に溶け込んで動きます。「高齢者の万引きが多い」と思われがちですが、実は20代後半から30代の人が多いんです。理由を聞いてみると、お金がないというより、子育てのイライラや、転売目的で手を出してしまうことが多い。しかも万引きは一度成功すると常習化する傾向にあります。仮に週に3回、5千円ずつの万引きをしたとすると、1人で年間78万円。ある店舗では、年に80人を確保したこともありましたから、とても大きな損失です。万引き犯を捕まえることが私たちの目的ではありません。大事なのは、お店の損失=商品ロスを防ぐことにあります。
また、新人のうちは不審者を“探す”のですが、“神”と呼ばれるようなベテランになると、駐車場に着いた時点で「この人、やるな」という直感に近いものがあり追尾を始めますから、ノウハウを理屈で説明するのは難しいこともあります。保安員が入ると、店舗の防犯意識も上がりますよ。
挑戦がモチベーション
中四国の保安員とはオンライン会議でつながっていて、柔軟な働き方を可能にしました。実働の基本は1日6時間。警備業のイメージを変えてきたと思います。
「50歳までに、社長を次の世代に渡そう」と、ずっと考えてきました。ワンマンじゃないからこそ、スタッフのおかげでここまで来られたし、もう会社は私がいなくても動ける体制になりました。そろそろバトンタッチの時期かな、と。でも、引退してのんびりする気は全然ありません。もう次のチャレンジを探しはじめています。挑戦している最中が一番ワクワクして、モチベーションが上がる。これにお金がついてくるんですから、これって幸せでしかないですよね。
5年後、10年後は今よりきっと体がしんどいから、今できることはいまやる。そう思って毎日過ごしています。「24時間365日のセキュリティソリューション」と言っていますが、私にとっては1日が24時間しかないのが本当に惜しいくらい。やりたいことが、まだまだ湧き上がってきます。
■ PROFILE
1977年、福山市出身。金融機関に勤務後、サイドビジネスとして警備業に着手。2020年、リライフガード設立。万引き防止を中心とする警備業務のほか、建設業を展開する。
■ SHOP DATA
リライフガード株式会社
広島県福山市神辺町大字川南1258番地21
TEL:084-966-6262
公式ホームページ「リライフガード」で検索