【異業種リレーの「わ」No.730 】「医学的根拠のある治療を」

INTERVIEWEE No.730
医心接骨院(いしんせっこついん)
柔道整復師 小野田 悠佑 さん(43)

接骨院開業6年目

 37歳で独立し、入船町に「医心接骨院」を開きました。院のコンセプトは、医学的根拠に基づく治療を。アメリカで医学として認められている治療法「オステオパシー」を取り入れているからです。院名も、いつも医学の心を忘れないようにと「医心」と命名しました。
 私がこの道に進んだのは、大学を卒業し、一般企業で働いたあと。資格を取得し、そのスキルを伸ばしていける仕事をしたいと思ったこと、大学時代に武道に打ち込み、体への探究心があったことなどからです。勉強のため、6年間暮らした東京を離れ、岡山市の朝日医療大学校に入学し、3年後、柔道整復師の国家資格を取得しました。卒業後は、恩師に東京か大阪の整形外科で臨床経験を積むことを勧められ、再び上京。整形外科で4年間、骨折や脱臼など外傷の処置やリハビリテーションにあたりました。

オステオパシーと出会って

 在京中、東日本大震災から1ヶ月経った頃、宮城県気仙沼市の避難所でけがの処置などのボランティアをしていたのですが、そこで高齢の方が次々と体力が尽きて亡くなられる、という場面に遭いました。そんな状況を目の当たりにして、特に災害時などにあっては、1回の施術で痛みを取ってあげなければ力になれたと言えないと思うようになったんです。
 それで様々な治療技術を模索するなか、巡り合ったのがオステオパシー。アメリカの医師によって考案された治療法で、どこに症状があろうが全身の骨格や筋肉、筋膜、神経などの構造へ繊細なタッチでアプローチし、症状を治していきます。自身でも施術を受け一番効くと感じ、また医学的なバックグラウンドを持つこの治療法を習得すべく、東京や福山での勤務と並行して技術の研鑽に励みました。オステオパシーに出会ってから4年、全ての運動器疾患を1回で治すことを究極の目標に掲げ、それを実現するために独立という形を選び、院を開くことに決めました。

理想とする治療を

 現在、私の院では、オステオパシーの治療1回に60分かけ、患者さんの体の状態や治療方針をお伝えしながら、全身を調整しています。その後、状態をみて相乗効果が見込める鍼を取り入れることもあり、一度の来院で痛みが取れるよう、手を尽くします。患者さんは、腰や膝などの手術を回避したい方、どこに行っても症状が良くならないという方、仕事や子育てで不調や痛みが出ている方、産前産後の方が多いです。
 私一人で始めた院ですが、来院数が増えて以降、患者さんに治療の選択肢を増やしてあげたいと思っており、2年前から同じセミナーで学んでいた鍼灸師一人を加えた二人体制で治療にあたっています。痛みを訴え来院されたとき、また災害時などに、目の前にある痛みを早期に取り去り笑顔になれるよう、日々精進します。

■ PROFILE
1978年生。福山市出身。大学卒業後、一般企業に勤務した後、岡山市の朝日医療大学校に進学。柔道整復師資格を取得後、東京の整形外科、福山の接骨院での勤務を経て、2016年、医心接骨院を開院、現在に至る

■ SHOP DATA
医心接骨院(いしんせっこついん)
広島県福山市入船町1丁目1-16
TEL:080-6241-0210

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