【異業種リレーの「わ」No.642 】「自分を救ってくれた生姜の力を活かしたい」

INTERVIEWEE No.642
Ginger Diamond(じんじゃーだいもんど)
代表 中尾 圭吾 さん(48)

こだわりの生姜商品

 生姜を使った飲料や食品の加工販売会社ジンジャーダイヤモンドを、2011年に立ち上げて丸8年。「ジンジャーさん」「生姜のおじさん」。いつの間にか、そんな通り名で呼ばれることも多くなりました。
 取り扱っているのは、看板商品のジンジャーシロップをはじめ、ジャムやレモネードベース、ソーダ、生姜糖、乾燥生姜など様々あります。商品は、道の駅やホテル、オーガニックショップ、インターネットなどで販売している他、朝市やイベント会場で私が売ることも多いです。昨年夏には、工場の移転に伴い念願の直売所もオープンしました。現在は7人のスタッフが私を支えてくれています。
 生姜は、駅家町服部産のものをメインに使っています。この〝はっとり生姜〟は生産者が少ないため収穫量は限られていますが、香りが高く、味も濃くまろやか。商品に使うとお客様の反応も良く、リピート率が高いです。この生姜の価値を知ってもらいたくて、生産者たちとプロジェクトを立ち上げ開発した無添加の「生姜ごはんの素」は、2016年に〝福山ブランド〟に認定されています。

生姜に助けられ

 私が生姜にこだわる理由は、私自身が生姜に救われてきたからです。10年前の私は、体調をひどく崩し、定職に就くことも困難でした。医師のアドバイスで、まずは冷えを改善するために生姜を積極的に摂り始め、偶然出会った生姜シロップにハマり、飲み続けているうちに少しずつ体調が整ってきたのです。この経験をもとに、自分と同じように体調を崩している人を生姜で助けたいと思い、2010年秋、ジンジャーシロップを商品化しました。これは同時に、体調が良いときにしか動けなかった自分にとって、社会復帰への第一歩にもなりました。
 身体を温めることに特化して、生姜はもちろん〝てんさい糖〟やシナモン、レモンなど、材料を厳選することで、家庭では再現しづらく日保ちもするオリジナルシロップを生み出しました。最初の3年はシロップに生えてくるカビとの戦いでしたが、周りからも知恵を借りて試行錯誤を繰り返し、生姜のエキスを最大限に引き出す配合を考えてきました。
 古くから漢方薬にも使われてきた生姜に秘められた力を信じ、おいしさとやさしさのある商品づくりを進める中で、お客様からも「冷えが改善したよ」「抗がん剤による食欲不振が楽になったよ」と喜ばれることが増えました。この仕事を始めて本当によかったと感じています。生姜は、私に居場所を与えてくれました。だからこそ、これからもたくさんの人に生姜を効率的においしく摂る方法を伝えていくことが、私の使命だと思うのです。

生姜を突き詰める

 現在ジンジャーシロップは、スライスした生姜を煮出した「琥珀」と、すりおろし生姜でつくる「黄金」、2種をブレンドした新商品「珠玉」の3種を販売しています。直売所でシロップの飲み比べができるようにしたことで、お客様の好みに合わせて配合したり、シナモンを抜いたりなど、セミオーダーの受付もできるようになりました。また、「糖分はもう摂りたくない」という声を受けて、昨年から「焙煎生姜茶」の開発にも取り組み始めました。今はまだ商品を作って売ることに必死ですが、次の10年を見据えるなら、生姜の成分を突き詰めて商品づくりに活かすことにも挑戦していかなければと考えています。
 私自身が、生姜の知識にかけて頭一つ抜き出た存在になれたなら、商品の付加価値も上がります。そして、商品の価値が上がれば、生産者を守ることに繋がります。地元で育つおいしい生姜の価値を高めるためにも、これまで以上に一つひとつの商品に想いを込め、丁寧に作り続けていきたいです。

■ SHOP DATA
Ginger Diamond(じんじゃーだいもんど)
広島県福山市本庄町中2-3-10
TEL:084-922-2663

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