静脈瘤などによって下肢の静脈がうっ血した状態が長く(通常1年以上)続くと、慢性的な下肢静脈の循環障害に伴う、様々な症状がでてきます。これらをまとめて〝下肢静脈うっ滞症候群〟とよびます。静脈瘤が進行するとうっ滞症候群を合併することが珍しくありません。その症状として以下のようなものがあります。
皮膚を流れる静脈圧が高くなると、毛細血管の血液の流れがとどこおり、酸素や栄養が十分にゆきわたらなくなるため、皮膚の栄養障害が起こります。そのため皮膚は薄く、弱くなり、皮膚がてかてかしてきます。
皮膚炎や湿疹を起こしやすくなります。静脈瘤の真上や足首にできやすく、皮膚がカサカサして表皮がむけたり、滲出液でジュクジュクしたりすることもあります。皮膚・皮下組織の栄養障害や炎症の繰り返しにより、皮下組織・皮下脂肪が板のように硬くなることもあります。
湿疹ができると強いかゆみを伴いますが、湿疹がなくても静脈瘤の上の皮膚がかゆくなることもあります。掻いているうちに皮膚炎や、湿疹になってしまいます。
静脈が拡張し、皮膚が弱くなっているため、掻いたり、少しの打撲によって皮下出血しやすくなります。出血すると血液の成分が組織に漏れ出ます。血液にはヘモジデリンと呼ばれる鉄を成分とする色素が含まれており、これらが組織内に沈着することによって、皮膚は、茶褐色や黒褐色を呈するようになります。
以後、下肢静脈瘤の様々な合併症について記載していく予定です。
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