【異業種リレーの「わ」No.733 】「私らしく、を胸に進んで」

INTERVIEWEE No.733
建築設計室 くらすず。
デザイナー 鶴村 鈴子 さん

神辺町のレンタルスペース

 築70年の古民家をリノベーションし、新事務所とレンタルスペース「くらしのまんなか」を開きました。場所は、高屋川沿い、市の天然記念物ムクノキの大木が目印です
 独立してちょうど5年目の節目の、今年8月1日のオープンです。こちらに新事務所を構えるまでは、自宅で仕事をしていましたが、旧知の不動産さんにこの家を紹介され、古民家再生の魅力をここから発信したいと思い、計画しました。
 出来は満点。私が好きな和と西洋のアンティークが融合し、視界の抜ける開放感がありつつも、ほっと落ち着ける空間です。完成までは、私にも不安はありました。けれど、自分の理想を形にするんだと、挑戦に徹することにしたんです。ですので、完成後の今、私の好きが詰まったこの空間を多くの方に見て、活用していただきたいんです。ギャラリーやサロン、ワークショップ、イベントなど自分の感性を活かして何かやりたいという方を、ここから応援できればと思っています。
 また、住人がいなくなったこの家に新たな役割を与えることができ、現代の家づくりに携わる者として、責任を一つ果たした充実感もあります。リノベは、こんな風に空き家解消の糸口にもなるし、従来の家の不便を改善するので完成後の満足度も自然と高くなる。私が古いもの好きなのもありますが、これからも古い家の再生に取り組み続けていきたいですね。

ものづくりを諦め切れず

 学生のころの夢は、服のデザイナーでした。短大で服飾デザインを専攻したものの、就職難で仕事が無く、卒業後は婚礼衣装の会社にアルバイト入社。半年後、会社直営の式場オープンに伴ってブライダルコーディネーターになりました。
 とはいえ、ものづくりへの興味は冷めることなく、多忙な仕事の合間を縫い、夜間にインテリアコーディネートの学校に通っていたんです。そのことを知っていた知人から、人手が欲しいという工務店を紹介され、23歳で転職したのが現職に至る原点。最初はカラーコーディネートから始め、次第に建築の仕事の面白さややりがいにのめり込み、30歳で建築士の資格を取得しました。

自分らしい働き方を選択

 その後、独立を選んだのは、友人の「自分らしく仕事をしたほうがいい。あなたならできるよ!」という一言に背中を押され、決心したから。ありがたいことに、店舗や注文住宅などの依頼をいただく業者さんから直接指名してくださる個人の方まで、お客様の幅が広がってきて嬉しいですし、今後ますます頑張らねばと思います。
 当初は、会社の看板が外れた苦労を現場で感じることもありましたが、信頼関係が築けた今は大丈夫。施主様とは顔を付き合わせてやりたいことを語り合った間柄ですから、その実現のために力を惜しむことはありません。その底力になっているのは、会社員時代に積ませてもらった経験です。

■ PROFILE
1975年生。福山市出身。2級建築士、インテリアコーディネーター。工務店、設計事務所勤務を経て、2017年より「建築設計室 くらすず。」代表。2021年8月、新事務所とレンタルスペース「くらしのまんなか」をオープン。

■ SHOP DATA
事務所・レンタルスペース「くらしのまんなか」
広島県福山市神辺町川南199
TEL:084-966-3258

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