INTERVIEWEE
ソーキャルアベニュー プリント事業部
明箱 直樹さん(37)
車屋の2階にプリント事業部
Southern California(南カリフォルニア)の通りを意味し、国産車、アメ車、欧州車まで、販売、整備・車検、カスタムと幅広く手がける腕利きの車屋「ソーキャルアベニュー」。
ここの2階に、全く異業種の新事業部ができた。この夏入社した、明箱さんを中心とするプリント事業部だ。工房兼店舗名は「frog design works」。
Tシャツ、帽子、靴、トートバッグ…布の上に、デジタルデータと連動させた精度の高いオリジナルの熱転写プリントや刺繍ができる。素材も綿、ナイロン、ポリエステルなど汎用性が高く、アパレルブランドから依頼された商品も数多く手がけている。
「自分で作ろう!」がきっかけに
明箱さんは世羅町の出身。「この苗字は全国でうちの家系だけ。周りからはたいてい〝メイちゃん〟と呼ばれてきました」。府中市のイベント会社に12年勤務し、世羅に戻って数年、また違う業種の会社勤めをした。その間もプリントは副業として続けていた。
夏はサーフィン、冬はスノーボード等々、アウトドアを楽しみ、「仲間とお揃いのシャツを作りたい。気に入った物を自分で作ってみよう」と考えたのが、プリントとの縁。やがて技術もアップし、仲間内だけの楽しみから、メーカーの注文まで受けるようになっていった。「これを本業にしていきたい」。本腰を入れようと考えていたとき、ソーキャルアベニュー代表の倉田さんから声をかけてもらったという。
家族と富士山の麓で年越キャンプをするのが10数年恒例という明箱さんは、アメリカ製のヘッド車(牽引車) + キャンピングトレーラーを愛用し、各地を旅してきた。最初に倉田代表に会ったのも旅先で、知り合いになり、客になり、そして今回は社員に…。車の業界と、プリントや刺繍の服飾業界では全く畑違いのようだが、アメ車の展開が際立つソーキャルアベニューのユーザーとして、その魅力も扱いもよく知る人物が迎えられたとも言える。
対面で思いを汲み、個人客も視野
「プリントの商談は、ネット上でも成り立ちます。でも、店舗を持っていることで、こだわりのあるお客様と対面で相談しながらしっかりと思いを汲んで、納得いく物が作れる思っています」。厚みや手触り、光沢など、間違いのないイメージを追求する。「便利なネットと並行して、一緒に良いものを作りましょう、というリアルにこだわったスタイルも残していきたいです」。
今はまだ新店舗の宣伝をほぼしておらず、BtoBと知人が客の大半。今後は、一般の小ロットも積極的に受け入れる方向性で「子どもさんの写真や描いた絵も、布の上に残せます。特別な機械が必要な黒いTシャツにもプリントが可能で、デザインの幅が広がります」。ニーズを探っていくと語っている。
INTERVIEWEE DATA
ソーキャルアベニュー プリント事業部
福山市加茂町中野242-1
TEL:080-3876-0902