Vol.174 上顎前突を伴う エンドオン症例

 上顎臼歯と下顎臼歯の理想的な位置関係は、一歯対ニ歯の状態が望ましく、それをアングル分類のクラスIと呼びます。
 タイトルにあるエンドオンとは、下顎臼歯に対して上顎臼歯が前方に位置している状態を指し、クラスⅡの別名です。
 一歯分まるまる前方に位置していれば一歯対ニ歯の状態となりフルクラスⅡと呼び、半分程度前方に位置していれば一歯対一歯の状態となりエンドオン(クラスⅡ)と呼ばれます。
 矯正治療のゴール設定は、一歯対二歯の咬合を目指して治療法を決めていきます。エンドオンは、中途半端な咬合様式のため、ほとんど治療が困難になります。
 今回は、そのエンドオン症例で、上下前歯部叢生、前歯が前方突出した上顎前突で口ゴボと呼ばれるプロファイルを呈しておりました。これらのことより、以下のように矯正治療を進めていきました。
 まずはカリエールモーションにてエンドオン(クラスⅡ)からクラスIに是正しました。その後、上下小臼歯を抜歯して、マルチブラケットにて上下歯列のレベリングをおこないました。前突感を解消すべくアンカースクリューを用いて前歯部を後方に牽引していきました。
 2年8ヶ月の治療期間を要しましたが、治療後の写真にて左右ともクラスIの正常咬合となり、横顔も理想的なイーラインを得ることができ、難解なエンドオンに対して、正しい治療法であったと言えます。

ふかつ歯科・矯正歯科

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