INTERVIEWEE
有木自治振興会
会長 小坂 佳敬 さん (65)
有木(あるぎ)と豊松に関わって
神石高原町の豊松地区にある有木自治振興会は、イベントや農業体験を通じて、福山を中心とすると街中との交流活動がさかんなところ。この春、地元豊松郵便局の局長を定年退職した小坂さんが、4代目会長に就任した。行政と地域住民をつなぎ、地元を良くしていく役割を担う。「約150戸約240人の住民がおり、高齢化率は70%を超えます。有木を訪れる人に楽しんでもらいながら、自分たちも楽しみながら企画していきたいと思います」と語る。
小坂さんは豊松に生まれ、豊松の小学校・中学校に通い、油木高校を経て広島市内の大学で工学を専攻した。「当時は、職場にワープロも無いような時代でしたが、広島市内でコンピューターのプログラミングと営業の仕事をしていました。あるとき豊松の郵便局長をしていた父から“帰ってこないか?”と打診があり地元へ戻りました」。明治10年に設置された局の7代目として27年間勤務した。親子で局長を務めたのは小坂さんたちだけだそうで「お世話になった地元に貢献したいという想いで今回も引き受けました。事務局や会のみなさんに頼りながら1年通してやってみて、流れをつかんでいこうと思います」。
ビレッジハウスや豊松地区へ
会のシンボルとも言えるのは、指定管理を受けている宿泊施設「ビレッジハウス仁吾川(にごがわ)」。明治の建築様式を残してリノベーションされたこの建物を拠点に、そば打ち、こんにゃく作りなどの田舎体験や、野菜を育て、収穫する農業体験、川遊び体験…特徴的なイベントを提案している。「毎年6月には蛍の鑑賞とBBQイベント、8月は魚のつかみ取りとトウモロコシもぎ取り体験も予定しています」。
豊松周辺はイベント時以外にも、魚釣りができる川、滝と発電所、紙ヒコーキタワー、湧き水などが点在し「年間を通じて魅力あふれる豊松へ、たびたびおいでください」とすすめる。
年間を通じた農業体験ができる
年間を通じての農業体験に「あるぎ倶楽部」、プレスシードと連携する「ぷれこる教室」もある。「植付け、草取り、収穫。道具の貸し出しもあり大勢で一気にやります。収穫は取り残すことなくみんなで山分けにして帰りますが、昨夏は1家庭コンテナ3つずつのこともあったとか。今年もご近所さんへおすそ分けできる回があると思います」。
新鮮で美味しい野菜を食べたい人、地元農家に野菜づくりを習いたい人、子どもに食と自然を学ばせたい親子連れなど通う目的は様々。「実は私は農業初心者。自分が育てて手をかけたものをいただく贅沢を、これから始めるみなさんと一緒に経験していきます」。趣味のゴルフと同じくらい楽しみにしながら「ここで農業を始めたり移り住んだりする方もおられます。有木を好きになってもらえたら一番」と思い描く。
INTERVIEWEE DATA
有木自治振興会
神石高原町有木886番地1
有木老人集会所/090-4697-2235
HP/https://arugi-village.com/index.html