INTERVIEWEE
カワカミ塗装工芸店
代表 川上 孝二 さん(53)
“工芸”に込める塗装家の心
尼崎出身、福山育ち。高校卒業後、いくつかの職業を経て、19歳で塗装業へ転職。「色には昔からこだわりがあったせいか、これがやってみて楽しかった」。結果、以後30年以上に及ぶライフワークを得ることになり、一級塗装技能士の資格を取得して、下請けや公共工事に携わり実績を積んだ。
住宅の外壁塗装を、お客様から直接受け始めたのは、48歳の時。「利益だけじゃないものを追いたくなった、とでも言うか…。これまでの経験を元に、最高の技術と〝最幸〟の満足度を、お手頃価格でご提供したいと思いました」。漆塗りの人間国宝の刷毛さばきに魅了されたこともあり、「外壁塗装も一意専心の気持ちで取り組んでいきたい」。そんな〝塗装家〟の思いを〝工芸〟の名に込め、看板を掲げた。
塗料、施工に妥協なし
こだわりの塗料を使い分け、最後に紫外線に反応して汚れを分解する高性能光触媒・クリスタルシーズン(NFE2)で仕上げるのが、カワカミ流の標準施工「次世代型外壁塗装 ながもち君」。この光触媒は、日本と米国のW特許で県内の取り扱いは3社のみ。「外壁なら、耐用年数を5年以上底上げでき、10年後に塗り直すよりは、15年、20年もつほうが最初割高でも長い目で見てお得です。その都度、足場を組むことを考えると、屋根と壁の耐用年数も揃えるほうがいい。ライフサイクルに合わせた提案もします。お見積もりを気軽に取って比べてみてください」。光触媒には室内用もあり、空気浄化、防カビ、抗ウイルスに対応、コロナ禍で需要が伸びている。
腕の確かな職人でチームを組んで施工、お客様の気がつかないところまで最終チェックをした後に引き渡し。「どんな塗料で、どれだけ丁寧に塗っているかが大事」と妥協しない。
施工中も楽しんで
「工事中も想い出に残ることができないか」とも考える。ある家の外壁塗装では、施工看板にイルミネーションを仕掛け、ウルトラマンを描いた幕を張った。「子どもさんが家に入りたがらないほど楽しんでくれて。嬉しかったですね」。目立つ反面プレッシャーにもなるが、「自分で見ても、すっごい!って声が出る仕上がりになりましたよ」。他に、施主さんと川上さんのジャンケン3回勝負、1回につき1万円のキャッシュバックの企画も。「賃金を確保してギリギリのこともありますが、3連敗しないよう頑張っています(笑)」と一緒に楽しむ。最近免許を取ったバイクに乗る間も、ながもち君ジャンパーを着用し、PRを欠かさない。
自分の性格を自己分析してもらうと、「こだわりが強い、変わり者」と謙遜気味だが、その個性が塗装家として大きな長所になっているのは間違いない。玄関を出た後、きっと毎回振り帰って見たくなるような外壁塗装を約束してくれるだろう。
INTERVIEWEE DATA
カワカミ塗装工芸店
福山市神辺町上竹田1046-3
TEL:050-3390-1617