INTERVIEW No.831
株式会社cocolo(ココロ)
代表 宍戸 由理 さん (41)
全ての訪問看護に対応
「あおい訪問看護ステーション」を開業したのは一昨年3月。コロナ禍での独立に不安もありましたが、病院や福祉施設では家族との面会が厳しく、家で過ごしたいとのニーズが高まりました。また、コロナになった方の訪問看護もあり、細心の注意をしながらノウハウを身につけていきました。
在籍する看護師は4人、理学療法士(作業療法士)は3人。福山には訪問看護ステーションが50ヶ所以上あり、あおいの強みは小児、障がい、難病、エンゼルケアも含めた全てへの対応と「卒業できるリハビリ」です。男性看護師もおり、力の要る入浴介助や、女性だと恥ずかしい方にも対応できます。
訪看利用の理解を促進
訪問看護(訪看)では、入院中に看護師がするような点滴や吸引といった医療行為の他、食事やお風呂の介助なども行います。「体調が悪いときに看護師さんが家に来てくれるの?」と質問されることがありますが、訪看を利用するには、事前に医師からの指示書が必要です。ケアマネージャーと相談されるか、私たちに直接ご連絡いただければ、手続きの方法等もご説明させていただきます。「家で過ごしたいんだけど、こういうときは?」などと気軽にご相談ください。広報誌を作りホームページを充実させて、わかりやすく発信しています。
ご利用者の願いを叶える
私たちのステーションは、ご利用者の願いを叶えるために、寄り添う心を大切にしています。例えば、腹水がたまり最期が近づいたご利用者から「お風呂に入りたい」と言われました。通常は難しいのですが、看護師が3人つけば安全に入れると考え、医師から細かい指示を受け実現しました。看護師がいるから家で過ごせる、は当たり前のこととして、希望を安全に叶える方法を考え、実現する仕事だと思っています。
また、ご遺族が死別の悲しみを抱えられたときは「グリーフケア」としてサポートしますが、そのとき「もっと、こうしてあげればよかった」という後悔よりも、「一緒に頑張った」という思い出をたくさん残せるよう生前も寄り添います。そういう〝色〟のステーションです。
働きやすいフラットな職場
訪問看護に関わって15年が経ちました。病棟、外来勤務後、26歳のとき高齢者のことを学ぼうと施設へ。訪問看護立ち上げにも関わりました。もっと勉強したいとステーションへ転職したのが32歳でした。
独立したのは、ご利用者ファーストでありながら、看護師がプライベートな時間を犠牲にしない職場を作ろうと思ったからです。今、休暇希望は100%取得。社長ではなく、「宍戸さん」と呼んでもらえるフラットな職場を意識し、提案やアイデア、やりたいことを発言してもらっています。これから思いを共有できる人をもっと増やし、地域に根差した訪看として尽力していきたいと考えています。
■ PROFILE
1982年生まれ。尾道市出身。看護師。外来、病棟、訪問看護に関わった後、株式会社cocoloを立ち上げ「あおい訪問看護ステーション」を運営、小児、障がいまで幅広く対応する
■ SHOP DATA
株式会社cocolo(ココロ)
【あおい訪問看護ステーション】
広島県福山市今津町3-15-201
TEL:084-939-9790
HPは「cocolo あおい」で検索
https://www.big-advance.site/c/169/1366