叢生(そうせい)、乱ぐい歯と呼ばれる凸凹が激しい歯並びの場合の多くは、4番(小臼歯)を抜歯して矯正治療を行います。
しかし今回の場合、右上の2番(側切歯)がすでに欠損していたため、左側の抜歯部位を検討する必要がありました。
左右対称に2番を抜くか?通常通り4番を抜くか?患者様と相談の上、4番を抜くことにしました。
その理由として、以下の3点が挙げられます。
①2番を抜いてしまうと、矯正治療中に前歯がない状態が続いてしまう。
②右側は1・3・4配列、左側は1・2・3配列でも、形態修正を加えれば違和感は少ない。
③4番抜歯のほうが前歯に連続性を持たせた歯列状態を維持しやすい。
また、矯正器具として最初は表側のブラケットを選択されましたが、治療していくうちに、周りからブラケットが見えるのがストレスとなり、途中から裏側のリンガルブラケットに変更されました。
矯正治療は最初の不正咬合の状態から、いかに適切な正常咬合に構築していけるかが重要なポイントとなります。