INTERVIEWEE
一社 結絆福祉会 (いっぱんしゃだんほうじん ゆうきふくしかい)
代表理事 上田 晋資 さん(49)
乳幼児対象の5保育所を運営
国道2号に面した延広町の「ゆうき保育所」園長として、にこやかに出迎える上田さん。障がい福祉サービスと乳幼児専門保育の2事業を行う結絆グループのトップでもある。
平成26年の就労サポートセンターすたーとの開設を皮切りに、保育は29年から。0・1・2歳児を対象に、各年齢6人ずつの福山市認可小規模保育所で、ゆうき保育所に始まり、しんがい保育所、おろしまち保育所と続き、今年4月には、もりわけ保育所(御幸町)、キッズパークおろしまち(インデップ事業所内)を開く。4施設はそれぞれの園長に任せながら、全体を統括する代表園長として目を配る。
環境づくりは人格形成に重要
少人数でゆったりとした、家庭の次に安心できる環境、保護者との密な連絡で信頼関係づくり、食育に力を入れる。「預かるだけでは、子どもの心は育ちにくいものです。生活のリズムや関係性において、どれだけ家庭の延長ができるかが大切」が持論。
また、日本語以外で対応したり、文化にあった離乳食を考えたり、保護者OBが相談にのったりときめ細かい。「新しいニーズがあれば、寄せる工夫をします。小さいからこそ小回りがききます」。ここで働きたいという求職者もクチコミで増え、やりたい保育が少しずつ叶い始めてきたという。「乳幼児保育は特に、ただの受け皿ではいけないんです。まだまだ年数は浅いですが、〝結絆に通いたい〟と、選ばれるよう動きます」と目指している。
人を育てながら応援する事業
上田さんは20代~30代前半も、人を育てる仕事に従事していた。大学卒業と同時に父親の経営する学校法人 上田学園へ就職。3年後、事業部長としてホームヘルパー養成講座を開始。西日本180拠点、年間6千人規模で展開した。さらにその3年後、CAC医療技術専門学校を開校。「その直前に、父親が58歳で亡くなり、当時私は30歳でした」。社会につながる学びを後押しするため、副理事長として奔走した時代を振り返る。が、政府の方針変更もあり、平成26年にリセットを余儀なくされた。3年間の充電期間を経て独立、新たに着手したのが現在の事業になる。
福祉と保育の二本柱は「経営で言うなら良いときに違うことも考えないと…」と苦い経験を糧にする。「でも、どれも人を育てながら応援する仕事ばかりでしょう? そこはずっとブレないと思いますよ」と胸を張る。
上田学園時代には、福山ばら祭、夏まつりの企画実行委員会委員長を務め、近年、協働のまちづくり推進や市制施行100周年委員に加わるなど、プライベートタイムを削って、まちづくりにも積極的に参画してきた。その一方で愛娘の写真をデスクに飾り、日々の励みとする1児の父でもある。
INTERVIEWEE DATA
一社 結絆福祉会 (いっぱんしゃだんほうじん ゆうきふくしかい)
広島県福山市延広町8–17
TEL:084-923–6550