異業種リレーの「わ」No.655 】「 「やっぱこの味よな!」と20年後も言われたい 」

INTERVIEWEE No.655
お好み・鉄板焼き平かわ(おこのみ・てっぱんやきひらかわ)
店主 平川 典子 さん(41)

府中焼きの店を駅家で

 府中焼きの本場、府中市のお好み焼き屋で働いた経験を活かし、昨年8月、自宅からほど近い国道486号線沿いに「平かわ」をオープンしました。
 府中焼きの特徴といえばミンチ肉ですが、当店では黒毛和牛を使い、仕上げに鉄板で焼いた半熟卵をのせています。ソースは甘めのオリジナルソースを使っていて、麺はそば、辛めん、うどんから選べます。トッピングはイカ、エビ、豚バラ、ホルモン、もち、チーズなどの定番から、平かわオリジナルの味付けすじ肉まで10種余り。チーズは鉄板で焼いて、とろっとろに溶けた部分をお好み焼きにかけ、餃子の羽のようにカリカリした部分はそのまま食べてもらっています。これが結構好評なんですよ。
 お好み焼き以外では、しょうゆ焼きそばがオリジナル。リピートされる方も多いです。夜は、だし巻卵や砂ずりなどの鉄板焼きメニューもあります。これから少しずつ増やしていきたいと思っています。
 店内はカウンター席とテーブル席が3つ。陽射しをたっぷり取り込めるようにガラス張りにし、木目を基調にやわらかい雰囲気を醸し出すようにしました。入口の木の扉についている大きな取っ手は、職人さんのこだわりで枝木の形をそのまま生かしています。外と中で形が違うので、来られたときに見比べてみてください。

周りに支えられ

 府中では親せきが営む老舗で6年働き、生地を作ったり焼いたりはもちろん、仕込みのサポートやお客様の誘導なども担当していました。その店は、府中焼きをまちおこしにつなげる活動をしていたり、ミシュランのビブグルマンに選ばれたりしていたので、お客様も多く、色々な経験をさせてもらいました。
 独立を考えていたわけではないのですが、40歳が近づき、人生の後半戦に備えて転職を考えていたら、夫が「自分で店をしてみたら」とひと言。確かに、この仕事は好きでしたから、お世話になった親戚からの応援をありがたく受け止めながら、新たな一歩を踏み出すことにしました。運よく、知人が倉庫にしていた場所を貸りることができ、内装業に携わる夫とともに、できるだけ自分たちで改装しました。友人が木工やデザインなどの得意分野で力を貸してくれたおかげもあって、1か月半ほどで店が完成しました。

その一枚に想いを込め

 自分で店を始めると当然ですが、勤めていたときよりもハードになりました。ですが、お客様からの「おいしかったです」という声が心にダイレクトに響いて、嬉しくてたまりません。内心では「本当に?」「どこらへんが?」と深く聞きたい気持ちはありますが、そこはぐっとこらえて「ありがとうございます!」と笑顔でお見送りしています。
 気を付けているのは、お好み焼きの味がぶれないようにすること。私にとってはたくさん焼くうちの一枚でも、お客様にとっては唯一であり、それが全て。「また来よう」と思ってもらえるかどうかにつながる大切な一枚なので、自分で絶対においしい!と思えるものを提供したいです。そう思って焼いているので、一度来られたお客様が今度は別のお客様を連れて来てくださった時は、もう舞い上がりそうな気分になりますよ(笑)。
 私の娘は今年、中学3年生と小学5年生になりました。将来、娘たちをはじめ、友人の子どもたちが大きくなって結婚して、家族を連れてきてくれたらと嬉しいなと思っています。10年後も、20年後も、「やっぱこの味よな!」と言って食べてもらえるように、長く愛されるお好み焼き屋になりたいです。

■ SHOP DATA
お好み・鉄板焼き平かわ(おこのみ・てっぱんやきひらかわ)
広島県福山市駅家町近田461
TEL:084-976-8787

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