【異業種リレーの「わ」No.737 】「日本の魅力、再発見カフェ」

INTERVIEWEE No.737
おいしい工房 うみひこ
店長 酒井 悠斗 さん(37)

鞆の町並みに馴染むカフェ

 鞆と松永を結ぶ県道47号線沿い、向かいは澤村船具店、南に進めば常夜燈。ノスタルジックな鞆の町並みの真ん中で、こだわりのドリンクとシンプルなスイーツをゆったり楽しめるカフェを営んでいます。
 建物は、太田家住宅群の一つで築100年以上と聞いています。前の店主から知人である父のもとに、放置気味の店舗を使ってもらえないかと相談があり、私が引き受けた形です。天井の張り替えや壁の塗り替えなど、およそ1年かけて私の手で修繕したんですよ。
 味わいのある建物や町に馴染むよう、客席のインテリアやお客様にお出しする食器は、骨董品を多数採用。電球や電化製品にも、極力雰囲気を損なわない物を選んでいます。お会計は現金払い、メニュー表に英語を書かないなどの細部も、私の店づくりのポリシーが現れているところでしょう。

接客と食品について極める

高校時代から飲食店でアルバイトを開始。早々に通り一遍の接客ではこの仕事は無くなると感じ、無二の接客術を身に付けるため、格式あるホテルなどを選んで働いてきました。
一方、ペンションやレストランを営む父を見て育ったため、社会に出たらいずれ独立するものだと思っていました。お客様は何にお金を出すのか、どんな時笑顔になるかなど、ビジネスのヒントを探す中、出た答えの一つが「食」。全国から選りすぐった安全でおいしい食品を扱う店へ、週に1度通い始めました。半年ほど続けた頃、店の社長に声を掛けられ、入社することに。23歳から3年間働き、食品に関するあらゆる知識を蓄積、各種取引ルートも開拓することができました。
その後、結婚式場に勤め、前述の鞆の店舗の担い手にと打診があったのが5年前。私自身収集するほど日本の古物が好きなのですが、建物を維持したい大家さん、店舗を引き継いでほしい前の店主、彼らの気持ちを聞いたことも、それならばと独立を決心した要因です。

日本の美食、文化を再発信

 ハコは決まりましたが、事業内容は未定。場所は観光地、ある程度稼げて自分にできること……考え得る可能性の中からカフェを選びました。
 メニューは、前職で添加物の脅威を熟知していたので、私が妻や子に安心して食べさせられるものをお客様にも出そうと、可能な限り無添加、国産の食材にこだわりました。父のレシピを元に、最適な材料を多数試食しセレクト。そして食べる時、最高においしい組み合わせになるよう、牛乳、卵、砂糖で作る固めの「むかしプリン」は、砂糖のブレンドから始め、出来上がりに3日かけています。
 また、一人ずつ絵柄の異なる日本の器で提供するおもてなしは、私の工夫の一つ。特に若い人には、日本文化への興味や探求など何かのアクションに繋がる発見になればと、密かに願い実行しているんです。

■ PROFILE
1984年生。福山市出身。高校卒業後、接客業に従事した後、食品専門の小売店、結婚式場を経て、独立。2017年11月、「おいしい工房 うみひこ」(福山市鞆町鞆824、Instagram:@umihiko_tomo)を開店。店名は、前店主が営んでいた料理店「海彦」に由来

■ SHOP DATA
おいしい工房 うみひこ
福山市鞆町鞆824
Instagram:@umihiko_tomo

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