INTERVIEWEE
大阪たこ焼きOTTO(オット)
オーナー 合田 育功 さん(39)
ふわトロ大阪たこ焼き、超熱で
「大阪たこ焼きは、外も中もふわトロです。カリトロじゃなくて。できたては超熱なので気を付けて」。昨春、福山では珍しい大阪たこ焼きの店を開いた合田さんは「大阪に住んでいた頃、駄菓子屋さんのように気軽に通い、家でも焼くなどして日常だった」という本場の味を福山に持ち込んだ。店名のOTTOは、イタリア語で8。タコの足と数字の8をあわせてデザインしたロゴマークが店内外に踊っている。
ふわトロの秘密とも言える生地は「これシャバシャバでしょ」と見せてくれるほど絶妙な水加減。注文を受けてから専用の鉄板に流し入れる。大ぶりのタコ、天かす、ネギ、べニショウガを乗せ、ピック1本でくるくると回しながら、中のタコを蒸し上げるようにまん丸く焼き上げていく。味は、王道のソース、さっぱりとしたゆずぽん、クセになるキムチソースやカレー等がありバリエーション豊富。電話予約もできるので、ぜひこの焼き立てを味わって欲しいそう。反対に作り置きがあるときだけの「オムタコ」は、イートイン限定の新メニューで、早くも話題だ。
自分のルーツは福山にある
たこ焼きは大阪だが、合田さん自身のルーツは、本人いわく福山。生まれは香川で、高知へ引っ越し、小学2年から高校3年までを福山で過ごし、父親の転勤にあわせて大学から大阪へ。卒業後は、梅田のタワーレコードで8年半、ソウル、ジャズ、クラシックを担当し、フロア責任者も務めた。ゴルフ練習場へ転職して8年勤めた後、開業のめどが経って、福山に戻ってきた。「福山は青春時代を過ごした大好きな場所。友達もたくさんいるし。違う業界への転職ばかりですが、音楽もゴルフも、福山もたこ焼きも、自分の好きなことを選んで来たのが共通点です」。
定休は日曜日。「平日、学生さんに立ち寄って欲しいのと、前職ではちょっと働きすぎたので」。反省を踏まえ、家族や旧友との時間も大切にしている。
地域に密着した憩いの場に
「理想は、自宅の1階でおばあちゃんがやっているたこ焼き屋さん、大阪でよく目にしたあれ。前を通るとき、気軽に挨拶できる場所を目指しています」。そう合田さんが語る間にも、下校中の小学生が手を振って通り過ぎた。
「色々とこだわって焼いていますが、正直たこ焼きでなくてもいいんです。最大の目的は地域の人が笑顔になる、憩いの場所になること。たこ焼きはそのツールの1つというか…。“遊びに来たよ。ついでにたこ焼きも買って行くか”で充分」。小中高生が買いに行くとお小遣いに配慮して学割で対応し、最近は、リピーターに手厚いポイントカードもスタートした。
幸せを感じる瞬間は「妻の手料理を食べている時。福山にいること自体も幸せだなって感じます。仕事も細く長く、福山の人に愛されたら幸せです」と語っている。
INTERVIEWEE DATA
大阪たこ焼きOTTO(オット)
福山市木之庄町3-4-12
TEL:070-8980-2423