INTERVIEWEE
中学生のための教育相談 菜の花(なのはな)
代表講師 國清 清美 さん(58)
ママ友とお茶する感覚で相談
学力が思うように伸びない、親子のコミュニケーションが取れない、不登校から抜け出せないといった悩みのサポートに、中学高校の教員経験を持つ國清さんが今年、中学生の教育相談「菜の花」を開設した。
「うちの子ちっとも勉強しない、という悩みは、勉強の楽しさや向き合う意味がわからないだけかもしれませんね。家での接し方ひとつで変わることもあるので、ちょっとしたきっかけになればと思います。ママ友とお茶する感覚でいいので、気軽にどうぞ」。自宅の一室でコーヒー豆を挽きながら、きさくに話しかける。公的機関に行くほどでも無いが、思春期の大事な時期にこのままでいいの?そんな不安にも応えてくれる。
学力だけで決めないで
勉強ができないことを最重要課題にしないのが菜の花式。「その子なりのタネがあって、自分の根っこで、親の愛、友達、先生、地域の人との関わりなどから、成長材料を吸収して行くものです。合わない方向に伸ばそうとしたり、学校が唯一絶対だと考えたりすると親子ともにしんどいですよね。芸術家、スポーツ選手、大会社の社長などには、自分には集団生活は向いていなかったと振り返る人がたくさんいます」。長い教員経験から、勉強や学校を重視しそうに思っていたが、いや教員だったからこそ、勉強以外の才能を持つ、たくさんの生徒の進路を支えて辿り着いた持論だ。
ただ、最低限の勉強をとなれば、学習サポート(英語・数学)もしてくれる。「大抵の生徒は数学で行き詰まっています。答えが一つに決まり、成功体験を重ねやすい教科なので、自己肯定感も増やしていきましょう」。そもそも勉強の意義や学校の意義、自分の存在意義すらわからなくて前に進めなくなったときは、心と学習の両面から、長いスパンで支えてもらえるのでありがたい。
双子の母として個の違いを実感
大学では文学を専攻、英数塾を経営した後、盈進中高、明王台高校、神辺旭高校の国語科講師を20年にわたって経験し、中高で9年連続担任も任された。その間に自身も男女の双子を育てた。「同じものを食べさせ、同じ本を読み聞かせても、好みも勉強スタイルも全く違います。ちなみに娘はコツコツ勉強して推薦をもらうタイプ。息子は中高のんびり過ごし、最終盤に集中して猛加速するタイプです。持っているものを伸ばしてやることが大事なんだなと、我が子の子育てでも実感しました」。
愛読書は?の問いに「与謝野晶子が好き。凛とした生き様も含めて」と応えた國清さん。勉強が唯一というこれまでの固定観念からの解放や、新しい価値観を見出すことも、自然に受け入れられるよう応援してくれるだろう。
INTERVIEWEE DATA
中学生のための教育相談 菜の花(なのはな)
福山市山手町2-13-31
TEL:084-971-6808