INTERVIEWEE
タンドール福山駅家店(たんどーるふくやまえきやてん)
店長 アチャリヤ ラム パラサド さん(42)
家族とともに日本で暮らす
タンドール福山駅家店のアチャリヤ店長は、ネパールの生まれ。21歳でインドへ渡ると、デリーのインド料理店で10年間コック修行をした。2009年に料理の腕を買われて日本のインド料理店へ。福岡で5年、東京での2年を経て2017年4月、この店の店長として招かれた。
12年になる日本での生活。「暮らしやすい」と思い、途中からは妻子も呼び寄せた。「子どもは3人います。中学2年生と小学3年生と1年生。日本の学校に通って仲良くしてもらい、みんな楽しく勉強しています。私も友達ができました。日本は3つ目のふるさとです」となめらかな日本語で語り始めた。休みの日は、家族と日本料理を食べに行くことが多いという。「お寿司が好き。ワサビも食べられます。カレーの辛さとはちょっと違うけれど大丈夫」という日本食通。テレビで大相撲を観戦するのが趣味とのこと。日本文化にも染まっている。
辛くて爽やかな本場のスパイス
そのアチャリヤさんが作る、お店のカレーは約40種類。辛さは《お子様》から《激辛》まで6段階準備されている。「一番好きなのは、カダイチキン。フレッシュトマトと玉ねぎと炭火焼きチキンが入ったカレーです。私が食べるなら、辛さは上から2番目の極辛です。初めての人だったら、下から3番目の中辛をどうぞ」。やはり辛いのが得意のようだ。
ただ辛いだけではなく、本場の味はスパイスが効いていて、どこか爽やか。「クミンやカルダモンなど、全てインドから取り寄せています。みなさんから美味しいと言ってもらえるのが嬉しい」と笑顔を見せる。こだわりの生地で窯焼きするナンにも定評があり、「ぜひ人気のチーズナンも食べてみて」と自信を持っている。
福山で本場の味と雰囲気を
コロナ禍でテイクアウトも人気だ。特にセットメニューはお得でランチにおすすめ。最近は、サラダにかけている手作りの特製ドレッシングが好評で、こちらの販売も始めた。「飲み放題プランもあります。カクテルも作れますよ」。広島県内に5店舗あるタンドールの中でも、特徴を打ち出している。店内は明るいオレンジ系で、インドの神様を描いたタペストリーやオブジェなどが配され、インドの気分に誘う。「今は旅行がなかなかできないときなので、近所で海外の味を楽しんで。しっかり感染症対策もしているので安心して、この美味しい料理を食べに来て欲しいです。待ってます」と呼びかける。
今後も、母国で暮らす予定はないそうだ。「子どもたちも日本で育って日本で学んでいるので、ずっと日本にいて成長を見守りたい。こっちをベースに、インド料理を作ります」。日本に溶け込みながら、本場の味や雰囲気を広める伝道師的存在だ。
INTERVIEWEE DATA
タンドール福山駅家店(たんどーるふくやまえきやてん)
広島県福山市駅家町近田230-1
TEL:084-976-2200