INTERVIEWEE
かき小屋 福山港店(かきごや ふくやまこうてん)
オーナー 丹下 工 さん(46)
今年もかき小屋、やってます
福山港旧フェリー乗り場駐車場に、7年前から期間限定で登場する「かき小屋 福山港店」。牡蠣の焼ける匂いが漂っていて食欲をそそる。
ここの牡蠣は江田島産。オーナーの丹下さんは「ミネラルが多く濃厚で、ひと口目のインパクトがあります。いい牡蠣ですよ」と自信を持つ。牡蠣の土手鍋、牡蠣めしもいいし、海老や帆立、内海町田島産のワタリガニも焼ける。今年は市場に大ぶりの牡蠣が少ないが、安定的な仕入れを確保しており、持ち帰りや贈答品としての配送も可能だ。県外ナンバーが7割を占めるこの店で、「地元の人にも〝今年もかき小屋やってるよ〟と伝えたい。福山産のワインや地酒と合わせて楽しんで」と勧める。
様々な経験を積んで
神石高原町出身で、中学時代は福山で下宿生活を経験。九州の大学に進んだが「入学式前に始めた接客業にはまって、結局2日しか大学に行かなかった」。25歳で福山に帰り、親の助けを借りながらアルバイトして、神辺にダイニングバー「くつろぎの店 匠」を開いた。「なるようになる、と生きてきたのに、この店も19年続くから、自分でも不思議」。銀河学院のスクールカウンセラーもし、2012年には無所属で市議会議員選に出馬した。あと150票のところだった。「1票足りなくても結果は同じだが、支持してくれた2300票が本当に有難かった」と振り返る。
昨年3月まで8年間、エフエムふくやまのパーソナリティを務めていたことでも有名だ。初対面で〝丹下さんて、思ったよりええ人じゃったんじゃねぇ〟と何度も言われたそうで「名前が一人歩きしてて、喜んでいいんだかどうだか…」と苦笑いする。
懐を潤すより懐に入るほうが…
オープン翌年は売上げが大きく下がるも、3年目からV字回復。実弟である㈱SHIFT創業者の丹下大さんのコンサルを受けたという。「今があるのは、親や弟や支えてくれた人のおかげ。感謝?恩? もっと上の言葉があったらいいのに。自分の懐を潤す金儲けより、人の懐に入ってかわいがってもらうほうが得意かも。その分、今度は色々な人を助けられたらと考えています」。
趣味はサイクリング。四国への日帰りや、故郷神石から世羅への起伏のあるコースなどかなりハードで〝最近やせた?〟と言われることも多いという。「トライアスロンに出たい」。オフは違う世界に挑んでいる。
INTERVIEWEE DATA
かき小屋 福山港店(かきごや ふくやまこうてん)
広島県福山市新涯町2丁目23-3
TEL:090-7121-9596