Q. 痔で長い間悩んでいますが、病院に行ったことがありません。診察は、どのようにされるのでしょうか。
A. 痛みや腫れ、出血などの症状について尋ね(問診)、その後、なるべく恥ずかしさを感じないよう、横向きに寝てシーツをかけて(図)診察します。麻酔のゼリーを付けて指で診察し、痛みの部位や程度、シコリや出血の有無などを確認します(肛門・直腸指診)。次に、肛門鏡(便の太さ位)で、痔が腫れていないか、傷はないか、などを観察します。時間は、2、3分で終わります。
痔は生活習慣病の要素も強く、診察結果をもとに、排便習慣など日常生活の留意点を説明します。日常生活では、便秘や下痢などの改善につとめ、飲酒・刺激物(香辛料など)を控えめにし、長時間の座りっぱなしや排便時のイキミ、冷えなどに気をつけて、入浴して温める、などが大切です。
症状により必要があれば、出血や腫れなどを改善する座薬や飲み薬を処方します。これでほとんどの人は改善しますが、多量の出血が続く人や、脱肛(肛門が脱出)症状が強い人等には、注射や手術で治療する方法を検討します。
痔の三大疾患は、「いぼ痔」「切痔」「痔瘻(ろう)」ですが、複数の病気が合併していることもあります。また、肛門や直腸のがん等、悪性疾患がみつかることもあるので、早めに受診されるようお勧めします。