INTERVIEW No.879
和大仁(わおと)鍼灸院
はり師・きゅう師 岡田 大果 さん(39)
美容師から東洋医学へ
両親が美容師で、自然な流れで美容学校へ進み、美容師としての道を歩み始めました。厳しい中にも楽しいことの多い日々でしたが、薬剤アレルギーを発症し、まだ23歳でしたが、「自分の体は自分でなんとかするしかない」という思いに至りました。
中学・高校では陸上部に所属し、神辺旭高校時代にはインターハイにも出場するなど、走ることを通して体への関心も高かったせいか、東洋医学や漢方の世界、鍼灸の哲学に触れるうちに「私は元気になれる!」と実感。病気は体がバランスを崩した結果であり、原因にアプローチして調和を取り戻せば起きない――その考えに強く共鳴しました。症状に注目して、切って取って再発を繰り返すこともある西洋医学の手術にだけ頼ることに納得できない思いもあり、専門学校で東洋医学を改めて学びました。
中国鍼で挑む治療
はり師・きゅう師の国家資格取得後は、病院に勤務し、新設の鍼灸科を任されました。1日に20人以上、1年間で約3千600人を診る日々。スキルアップには確実につながりましたが、機械的な作業のようでした。患者さんの生活や背景に寄り添って原因を深く探る時間を持ちたいのに一人ひとりと向き合えないと葛藤を抱えていました。2013年に独立を決意し、開業したのが和大仁鍼灸院です。
私の治療は中国鍼という太くて長い鍼を用います。細い鍼を数多く打つのではなく、必要なところに必要なだけ的確に刺激を与えます。咳や鼻水などの症状は、来院時と違う変化を持って帰ってもらえます。甲状腺、糖尿病、がん、高血圧、脂肪肝、生理痛、婦人科系疾患など様々な悩みをお持ちの方が通われており、不調の原因にアプローチしています。
お母さんが家のお医者さん
鍼灸は決して奇跡ではありません。東洋医学の考えに基づいて、患者さんのカラダの不調和を調和状態にし、“本来の自分”に戻ってもらうサポートです。そのため、現在1日2人までに制限し、患者さんの日常生活に入り込みながら深く向き合っています。そして、寝転がってもできるケアや、皿を洗いながらできる動きなどを提案し、負担なく継続できる運動もお伝えします。
人にはそれぞれ、生まれ持った自分の取扱書とも言うべき“いのちの設計図”があります。この設計図を知って寄り添うことで心と体を調和させ、本来の自分にもどる道を共に歩む―それが、一生続けたいと願う私の仕事です。患者さんの日常生活の伴走者でありたいのです。
10月から東洋医学×ピラティス×ヨガの「自分再生プロジェクト」を始動します。東洋医学の世界観を日常に活かせる実践的な5回のプログラムにより、お母さんが“家庭のお医者さん”として大切な人を守れる講座にしたいと考えています。
■ PROFILE
1985年福山市出身。美容師、はり師、きゅう師、薬膳コーディネーター。2013年に和大仁(わおと)鍼灸院を開業。
■ SHOP DATA
和大仁(わおと)鍼灸院
広島県福山市引野町北1丁目23-18
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