INTERVIEW No.846
株式会社 太陽都市クリーナー
代表取締役 森山 直洋 さん(48)
当たり前の生活環境を守る
1964年に祖父が創業し、今年60周年。現在は、ごみのルート回収700ヶ所(府中市からの委託)、同じく企業飲食店100ヶ所、浄化槽の維持管理2千軒を中心に、し尿処理やハウスクリーニング事業「キレイト」など、お客様のクリーンな〝当たり前〟の生活環境を守る会社です。南本庄に福山営業所、栗柄町にエコステーションを置き、公衆衛生と資源リサイクルにつなげています。
いつでもどこからでも誰でも
私が入社したのは2006年、30歳でした。大学卒業後、都内のシステム開発会社に勤務し、さらに東京の音楽教室でギターを教えたり、音楽雑誌のライターをしたりした後になります。総務部に配属され、超アナログな会社の改善を図り、2010年に父が65歳で退いたのを機に代表になりました。
最大の転機は2018年の西日本豪雨災害。すぐ目の前にある芦田川が決壊したらどうなっていたか…。紙の伝票はもちろん、会社のサーバーにあったデータも、全ておしまいだったでしょう。我々の仕事は有事でも継続できければなりません。いつでもどこからでも誰かが動かせる、回収のトラックを止めないシステムを作らなくては! そこからクラウド化、IT化を一気に進めました。
アプリを導入して朝礼をグループチャットに変え、毎週「社長の独り言」を送るようにしました。社員同士もグループチャットですから、全員が同時に文字で情報を確認でき連絡ミスや仕事量の偏りが減りました。お客様からの依頼を全体に投げると「私が行きます」と手をあげてくれる積極性も育ちました。会社を拠点にする必要性が減り、仕事の効率も格段にアップ…良い方向へと動き出し、将来的に週休3日制の導入も検討中です。給与明細や有給申請、年末調整等々もスマホアプリから。各種研修制度もネット上のサブスクで自由に利用できるようにしています。
働き手にも選ばれる会社に
これらはIT化のほんの一例ですが、外部からの評価として、「全国中小企業クラウド実践大賞2021」入賞や、今年は「GPTW働きがいのある会社ランキング」中四国地域5位につながりました。自分のやり方が間違ってなかったと思うと同時に、社員が誇りに思って働いてくれれば嬉しいです。2017年に府中市総合体育館のネーミングライツも取得し、「TTCアリーナ」とさせてもらったのも、そうした企業ブランディングの一環です。
IT化支援やSNS代行、音響設備など多角的な動きも始めています。インスタグラムには専任スタッフもいます。ぜひ社内の雰囲気をSNSから覗いてみてください。
一般に人手不足の時代ですが、おかげさまで直近の求職者は2018年と比べると8倍以上。働く人とお客様、両方からのファーストチョイスを目指しながら、地域の環境保全と公衆衛生の向上に努めます。
■ PROFILE
1975年生まれ。府中市出身。システム開発業を経て30歳で入社。2010年34歳で代表就任。IT化を進め、災害に強く、地域の公衆衛生と社員の働きがい向上に注力する
■ SHOP DATA
株式会社 太陽都市クリーナー
広島県府中市中須町1515(本社)
広島県福山市南本庄2-4-1-303(福山営業所)
TEL:0847-45-5326
http://www.fuchu-ttc.co.jp/
インスタ:@taiyo_toshi_cleaner