INTERVIEWEE
東公民館/小川 勇館長
1つ目のお宝は、とんど祭りです
▲縁起物「掛け鯛」を飾り付けたとんどを小学生が引っぱり商店街を練り歩く(2017年)
東学区のとんど祭りでは、子どもたちがとんどを引っ張って学区内を練り歩いた後、小学校で燃やし、つきたて餅を焼いて食べながら一年の無病息災を祈ります。この歴史は、水野勝成公の福山城入城を祝うため、各町が華やかなとんどを作って持ち寄ったことに始まります。勝成公はとりわけ、鶴亀や掛け鯛などの縁起物を飾った吉津(現在の東学区)のとんどを気に入り、毎年出来映えを競う祭りを開くよう命じました。それが現在に受け継がれています。
長い歴史の中で一時は途絶えましたが、地域を盛り上げようと学区の祭りとして復活させて来年2019年1月で16回目になります。近隣学区も加わって2018年は5基が練り歩いたほどの一大行事に発展しました。次は福山市が公募した人たちと一緒にとんどを作るので、さらに賑やかになりそうです。今年もまもなく準備に入ります。
2つ目のお宝は、水野勝成墓
▲賢忠寺北側にある勝成公の墓
福山藩の初代藩主だった勝成公の墓は、山陽新幹線のすぐ脇、賢忠寺の境内にあります。福山城の築城し、新田開発や治水工事などを積極的に行なって礎を築き、い草の栽培や銀札銭札の発行をするなどして経済基盤も確立した名君です。
両隣には父・忠重の供養塔と勝成の三男成貞の供養塔、また周囲には福山城の三代城主・勝貞や四代城主・勝種、勝種の長男・数馬の供養塔も建てられています。
南門にある門柱には「威稜扶宇宙恩重福生霊」と刻まれています。武威ならびなき勝成公は、領民百姓を大切にし、産を興し、治政の実をあげた、という意味です。この門柱は、勝成公が亡くなってちょうど250年後の明治34年に、福山誠之館初代校長を務めた石井英太郎らによって建てられたものです。私たち東学区民には、この尊敬の念を継いで史跡を守り、後世に伝えていく使命があると思っています。
東公民館の小川勇館長にお話を伺いました。