INTERVIEWEE
光公民館/佐藤 孝次郎館長
1つ目のお宝は、国宝や遺跡のある「歴史薫るエリア」です
草戸山の麓一帯は、歴史を秘めた自慢の文化エリアです。 空海が創建したと伝わる明王院には2つの国宝、元応3(1321)年建立の「本堂」と貞和4 (1348)年建立の「五重塔」があり、明王院の門前を流れる芦田川の川底には、全国的に有名な中世の港町「草戸千軒町遺跡」が眠っています。 そして、遺跡から発掘された出土品のうち2930点の日常雑器は、鎌倉から室町時代にかけての庶民の生活が伺える貴重な資料として、国の重要文化財に指定されています。
▲2013年12月、五重塔が22年ぶりに特別公開されたときの様子
そのほか、国の登録有形文化財(建造物)になっている「佐波浄水場跡地」や、明王院裏山にある市重文の「草戸愛宕神社本殿」、中世に勢力を持った渡辺氏の山城とされる「草戸山城本丸跡」、その出城と考えられる「半坂妙見社」など、草戸町の川西には約40の歴史スポットがあり、それらを巡る散策マップもあります。地元の有志でつくる明王院を愛する会(旧草戸の歴史を愛する会)が作成したものです。
そのマップに記されている「草戸山公園」に上がると、光学区はもちろん、市内全域を見渡すことができます。平安時代を生きた人たちも、この山からこうして当時の町並みを眺めていたのだろうなと、ロマンを感じずにはいられません。
2つ目のお宝は、11ヶ国のアートが集う道「シンボルロード」です。
福山市道「地吹・沖野上線」沿いの遊歩道 「シンボルロード」は、1994年の広島アジア大会を記念して整備されました。幅6~7m、長さ890mにわたって伸びる道沿いに、バラやツツジ、ハナミズキ などの花々や樹木が植えられており、散歩する人を楽しませています。
シンボルロードという名は愛称で、正式名は「アジア彫刻の道」。通り沿いに、アジア11の国や地域の16作家が手掛けた22体の彫刻が並んでいて、北は「愛と和」、中央は「遊」、南は「躍動と飛 翔」と、テーマごとに分かれています。
冬は沿線の5町内会が協力して、約2万個の電飾でライトアップしています。この活動は2001年に始まり、以来毎年12月からお正月まで、通りは明るく華やかに彩られています。
2017年には市の補助を受けて、ばらの妖精ローラのイルミネーションが加わりました。トナカイのひくソリに乗って、“ローズマインド”を届けています。
こうした地域の人が取り組む活動も含めて、シンボルロードは我が学区のお宝です。 今、通りの南端で新しい体育館の建設が進んでいます。シンボルロードがエントランス的な存在となり、また次の時代に向けて一層華やかになっていってくれたらと願っています。