【異業種リレーの「わ」No.660 】「地のものを、活きたまま、召し上がってほしい」

INTERVIEWEE No.660
食市場 魚鮮(しょくいちば うおせん)
代表 和田 明久 さん(58)

歴史ごと引き継ぎ出発

 「魚鮮」は約30年前に伏見町の高架脇にオープンし、出張に来られたビジネスマンや馴染みのお客様に可愛がられてきました。私が経営を引き継いだのは2007年です。
 当時、父親の背中を追って魚屋を経営していた私にとって、魚鮮は取引先であり、大好きな店のひとつでした。前オーナーから事業譲渡の打診を受けたときは不安はありましたが、歴史ある店を任せていただける上に新たな事業に挑戦できる、非常に恵まれた環境だと思い、ありがたく受け止めることにしました。そして、店名も設備もスタッフもそのまま、株式会社ONEとして法人化し、スタートを切りました。板場のほうは、包丁さばきが天才的に巧い料理長をはじめ8人に、ホールは12人に任せています。2階の個室と3階の大広間を合わせると、全146席あって移動は大変ですが、毎日笑顔を絶やさず動き回ってくれています。
 魚屋の運営は私個人で続けており、各店舗に卸しています。また、グラム数をきっちり合わせてさばいた魚を、学校や病院に届けたりもしています。

活魚を味わってほしい

 駅前ですから、市外や県外から出張で来られるお客様が多く、福山だからこそ食べられる食材の提供を心がけてきました。魚はほぼ、瀬戸内海で獲れたものです。私自身が魚屋なので当然ではありますが、「新鮮な魚をリーズナブルに食べられる」と喜んでいただいております。1日の魚の消費量も多く、ハマチだけで1~2本、多い日は5本を使い切ります。
 この季節のイチ推しはカワハギ。水槽で泳いでいるのを活け造りにします。新鮮な肝を溶いた醤油につけてお召し上がりください。水槽には他にオコゼやアコウ、アナゴ、サザエ、ニシ貝などもいて、お客様のご希望にそった調理方法でお出しします。最近は魚を生きたまま運ぶ業者も少なくなりましたが、市場に20年近く出入りしてきたつながりもあって、当店では無理を聞いてもらっています。活魚には力を入れておりますので、来られた際にはぜひ味わっていただきたいです。
 また、味噌汁や茶碗蒸し、お茶漬けなどに使う出汁も、鯛やヒラメなどの骨を煮込んで作っています。その出汁をベースに、温泉卵を巻き込んで焼く「出し巻き卵」も人気です。オーダーを受けて焼くこだわりの一品で、「中からとろっと出てくる温泉卵がたまらない!」と熱烈なファンがいます。
 日本酒も福山の酒蔵と酒屋がタッグを組んで作った「鋼」をはじめ、取り扱う8種すべてを広島銘柄にそろえています。

満足していただくために

 我々の仕事は、食の安全を前提とした上で、おいしい料理を提供することです。それを実践するために私がしたことは、お客様の料理に対する反応をホールから板場へ、直接伝えてもらうことでした。料理が残されるのはまずいから?多いから?それとも出すタイミング?そうした情報も共有し、今では自分たちにできる最善策を考えてくれています。スタッフ間の風通しがよくなって「お客様第一」の店づくりが一段と進んでいて嬉しいです。
 店の雰囲気を作るのはお客様であって、スタッフではありません。カウンターで、テーブルで、楽しそうに食事するお客様の姿が雰囲気そのものになるのだと考えています。ですから「居心地がいいね」という言葉は本当に嬉しいですね。満足してくださっているお客様が多いのだと励みにもなります。我々はこれからも、たくさんの方に楽しい時間を過ごしていただけるよう、手と心を尽くし、自信を持って料理を提供していきます。

■ SHOP DATA
食市場 魚鮮(しょくいちば うおせん)
広島県福山市伏見町2-15
TEL:084-927-3345

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