10面指しで今泉プロ対局指導【伊勢丘公民館】

「囲いは家。それじゃ玄関先に立ってる。雨が降ったら濡れるよ。入らんと」
「間取りを広げるのは手数がいる。とりあえず4畳半にでも住んどこ」。

7月13日、鳳中学校出身のプロ棋士・今泉健司四段が、中学校区内の伊勢丘公民館で対局指導。

驚きの記憶力と判断スピードで10面指しをし、家を例にとって、子どもたちに〈玉〉をしっかり 囲うように独特の語り口でアドバイスした。

また「あんまりピョンピョン跳ばんで。〈馬〉も〈角〉も(前には動けないから)頭が弱点。自転 車でヘルメットかぶるように守らんと」など今泉節を繰り広げた。

その今泉さんを「う~ん」と唸らせる鋭い攻めをした武田蒼也君(伊勢丘小6年)は角落ちで勝利。
「勝ったけどやはりプロは強い。以前に今泉さんとしたときよりは、形になったと思う。
受けが 弱いと言われたのでもっと学び、プロを目指したい」と話していた。

質問タイムには約50人の参加者・見学者の興味が、昨夏のNHK杯1回戦に集中。
戦後最年長41歳でプロデビューした今泉さんが、史上最年少でプロ棋士になった藤井聡太七段を破ったときのこと。
対局が決まって「公開処刑やな」と沈んだ心境から、勝利した直後の「こんなこともあるんだ」と 漠然と思ったこと、感想戦後になってようやく実感が湧き「よっしゃぁ!」と大声をあげて歓喜に至
ったことを伝えた。

また、「人生、しまったと思ったら切り替える。そこで最善策をとる。人生は成功と大成功しかな
い」。 “遅咲き、”逆転人生、と言われる自身の深い半生をにこやかに振り返り、参加者から大きな拍手を 受けた。

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