【 神石高原温泉利用組合/藤田 晃己】    まるで化粧水、地域を満たす最高の湯

INTERVIEWEE
神石高原温泉利用組合(じんせきこうげんおんせんりようくみあい)
組合長 藤田 晃己 さん(77)

混ぜ物のない確かな泉質

とろりとまとわりつくような、やわらかな肌触り。夏場は少しぬるめに設定され、まるで温かい乳白色の化粧水に浸っているようー。  ここは、昨年6月にオープンした、美肌とデトックスで話題の神石高原温泉。道の駅さんわ182ステーションから車で5分弱。廃校になった井関小学校を再利用したレストラン「学校食堂」の敷地内にある。2m×4mの内湯が男女1つずつという小さな温泉ながら、県内外のリピーターを着実に増やしている。  「ラドン含有率が高く、pHは10・2。メタケイ酸も含んでいて、湧き出る温泉を何も混ぜずに加温しているだけですが、皆さん肌がつるつる、なめらかになると言われます。施設は小さくても最高の湯。さぁ、まず入って確かめてみて」。そう自信をもって勧めるのは、この温泉施設の発起人でもある藤田組合長。フジタ住設の会長で、町会議員を20年務めている。

行政と地元有志の力で

この温泉は、平成6年の水不足の折にボーリング工事で湧きだした。地元ではタンクで持ち帰って沸かしたり、近くに仮風呂を設置したりして入っていた。1日24~25トンが湧出しており、町によって「学校食堂」まで配水管が敷設された。そこで「このいい湯を使って地域活性化と観光振興に役立てたいと思っていたことと、母校の廃校舎の利活用がマッチした」と100人近い出資者を募って組合を結成した。「仲間や地元の人を巻き込んだからには、喜んでもらえるものにしなくては」という藤田さんの意気込みに応えるかのように、訪れた人からは「こんな贅沢な湯があったのか! 近くに住む人が実にうらやましい」と驚く声が聞かれる。

仲良く生き、楽しく住む

自らの健康の秘訣は、やっぱり温泉。「毎日仕事帰りに立ち寄っています。家に帰ってからの1杯がうまい」。しかも週に1回は中学・高校時代に熱中したソフトテニスのナイター練習後に入浴。「汗をかいた後もまた、気持ちいいんですよ」。神石高原町内にはゴルフ場やキャンプ場など屋外施設も多く、そうした人にも利用して欲しいと期待する。  また「温泉を作ってよかったとみんなが思ってくれ、長く続けること、さらに活用していくことが大事です」。期待に応え続けたいと考える藤田さん。昨夏の豪雨災害では幸い被害がなく、被災や断水に苦しむ県内の人たちに温泉を2週間無料開放した。遠く広島市からも訪れたという。まもなく休憩所の増築に取り掛かり、冬前には完成を予定。「格好いい言葉では言えないけれど、みんなと仲良く生き、楽しく住みたい。そのために人生自分のことばかりじゃなく、地域に尽くしたい」と力を注いでいる。

INTERVIEWEE DATA
神石高原温泉利用組合(じんせきこうげんおんせんりようくみあい)
広島県神石郡神石高原町井関1282
TEL:0847-85-3553

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