【異業種リレーの「わ」No.676 】「クライアントにとって最善の利益を選ぶため」

INTERVIEWEE No.676
司法書士 石井事務所(しほうしょし いしいじむしょ)
代表 石井 俊光 さん(31)

学び続けた20代

 司法書士として独立して7年目になります。メイン業務は不動産の名義変更や会社の役員変更、登記内容の変更に関する商業登記です。しかし、私の事務所は、税理士や社会保険労務士、中小企業診断士、行政書士、宅地建物取引士といった士業が集まっている建物の1階にあるため、相続や事業継承、M&Aなどに対してチームを組んで動くことが多いです。
 高校の時から「何かしらのスキルを持って社会に出たい」という思いが強く、合格率3%以下の難関と言われる司法書士試験に大学時代から挑戦してきました。法律は日常生活に密接に関係していて、学べば学ぶほど面白かったので、途中でくじけることはありませんでした。宅地建物取引士、行政書士に続いて3つ目の国家資格を取得でき、修行するつもりで福山の会計事務所に就職。そこで約1年、社会人経験を積み、早々に事務所を間借りする形で独立する運びとなりました。
 このときまだ24歳。高価な専門ソフトや事務用品を揃えていく時間が楽しくて、夢ばかり膨らんでいました。しかし、いざ開業すると経験不足が露呈。相続手続きしかして来なかったので、不動産登記に関しては分からないことだらけ。動けばすぐ壁にぶち当たっていましたが、役所の人や先輩に聞きながら知識を増やし、少しずつ自分なりのやり方を見つけていきました。一通りの業務を経験し、解決法が分かるようになったのは3年目からです。

情報を集めて慮る

 近年は、個人の財産を管理する業務が増えました。身内のいない認知症の高齢者や行方不明者、相続人がいないまま亡くなった人の財産管理は、手続きのプロが入ったからとはいえ、正解が容易く見つかるものではありません。生前に自分の財産の整理を進める「終活」への意識が高まるのも頷けます。今後は財産の多少に関わらず、早めに相続準備をする流れが加速していきそうです。本人の判断能力が無くなった後は身内が財産を管理できる、「家族信託」という選択肢もあることを知っておいてほしいです。
 司法書士の仕事は、問題解決をするコンサルタント業務のようなもので、受け取る情報は家族以上にプライバシーに踏み込むものが多いです。相手に寄り添いながらもドライでなければならない難しさがあります。特に、認知症の人の財産管理をする場合、最大限心掛けているのは、本人ならどう判断するかを考えること。会話ができる場合は定期的に会って人間関係を築き、できない場合は世話をしている人や生い立ちを知る人から情報を集め、どんな人なのかを考えます。そして、大切な決断するときに、「娘さんに決めて欲しいと思っているのかな」「そこは敢えて触れてほしくないことかも知れない」などと想像して動くようにしています。

新時代の相談に備え

 司法書士はAI化が進めば消える職業とも言われていますが、私個人としては、AI化には期待もしています。流れが決まっている簡単な手続きなどはロボットに任せて、人でなければ解決できない仕事に時間とノウハウを注げばいいと考えているからです。百人百様の悩みがある経営者や、病気などで話せなくなった人たちの気持ちに寄り添うのはロボットにはできないことです。
 これからは、キャッシュレス化が加速してデジタル遺産の相続相談なども増えると思います。IoT化が進むことで、これまでとは違った価値観も生まれるでしょうから、今以上に情報感度を高めていきたいです。弊社では事務員2人を含め、3人体制で業務を行なっています。将来的には司法書士法人化もしていきたいと考えています。そして、福山で真っ先に頼っていただける事務所を目指し、実現に向けて自己研鑽に励みたいと思います。

■ SHOP DATA
司法書士 石井事務所(しほうしょし いしいじむしょ)
広島県福山市王子町1-2-24 1F
TEL:084-944-3100

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