【異業種リレーの「わ」No.690 】「新様式の居酒屋スタイルへ、挑戦始まる」

INTERVIEWEE No.690
鉄板焼居酒屋 わっしょい。(てっぱんやきいざかやわっしょい)
代表取締役 入江 静樹 さん(47)

名物は神戸風のお好み焼き

ご近所さんが気軽に通える鉄板焼屋を目指して立ち上げた「わっしょい。」は、今秋で16周年を迎えます。看板メニューの「神戸風うす焼」は、学生時代に過ごした神戸でハマった、麺を入れない薄いお好み焼き。外はパリパリ、中はトロトロに焼き上げてから、すじ肉とコンニャク、豚肉、魚介などをトッピングし、神戸から取り寄せた少し甘めのソースをかけます。独特の〝レア感〟を味わえるのは県内では当店くらいですよ。  そのほか、広島風やとん平焼き、せせりの塩焼きやホルモン焼きといった単品メニューも多数。店内はカウンターとテーブルを合わせて24席ありますが、現在、店内食は最大2組に限定するなどして防菌対策をとっています。持帰りは単品も含めて提供中。営業時間は開店以来、夕食のみです。  学生時代からバーテンダーに興味があり、社会人になってからは転勤をこれ幸いと、夜は寝る間も惜しんで各地の飲食店で働いて修行。ドリンクだけでは弱いと考え直し、当時はまだ全国的にも少なかった〝カクテルの飲める鉄板焼屋〟をしようと決めました。独立したのは2000年6月。福山に戻り、明治町で母が営むスナックを改装して「わらべ」を開業。その4年後、2号店としてこの「わっしょい。」をオープンしました。その後、どちらか1店舗に絞ることにした2009年、住宅街にあって将来的に昼間の営業もできそうな当店を選びました。

通販ルートも確立

店で使っている、自家製のニンニクの佃煮「やみつきにんにく」と、これをもとに調合した「万能たれ」は、県内外のSAや百貨店、スーパーなどで販売、通販もしています。佃煮自体が、そのまま食べても調味料としても万能でファンが多いです。どちらも、地産地消や特産品づくりの意識が高まってきた2012年に開発しました。また同年、販路拡大のため「株式会社福の山印」の名で法人化しました。  ニンニクは全て福山産にしたかったのですが、生産量が確保できず、兵庫や香川、愛媛を中心とする国内産です。兵庫・たつの市産だけを使った佃煮は、たつの市の特産品になりました。一時は、設備投資をして生産量の多い愛媛に工場を建てましたが、福山に集約しようと一昨年に閉鎖。機材のみを引き取り、店のキッチンを改装して広げ、惣菜製造業許可を取得しました。今では、全商品合わせて年間約1万個を当店で生産しています。

新しい衛生スタイル模索

コロナ渦で売上は8割ダウン、スタッフに感染させても責任が取れないため泣く泣く休んでもらい、4、5月は私一人でテイクアウト限定で営業してきました。けれど、それだけではカバーしきれず、店を閉めることも考えました。でもね、独立して今年でちょうど20年なんですよ。思い入れだってあります。だから、何とかやっていける方法はないかと、ずっと探っていました。  例えば、オーダーとドリンク提供を自動化できれば、私は調理に集中できます。手始めに、先週から店内の一角に生ビールとチューハイ、ハイボールのサーバーを置き、ドリンクのセルフサービスコーナーを作りました。ゆくゆくは、レシピを見ながらカクテルづくりも楽しんでいただきたいと思います。この案は、コロナより前に考えていたものですが、まだ理解は得られないだろうと諦めていたところに、人との接触を避けましょうという事態が到来。同時に自動サーバーのレンタルも始まり、一気に実現へと進みました。後は、オーダーを自動化するだけです。  少人数でも経営が成り立てば、食品加工にも力を入れてお好み焼きの冷凍化を、と夢を膨らませています。このように今後は、できなくなったことより、できること、できそうなことに目を向け、お客様と楽しい時間を共有していきたいです。

■ SHOP DATA
鉄板焼居酒屋 わっしょい。(てっぱんいざかやわっしょい)
広島県福山市曙町3-2-43
TEL:084-957-0334

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