INTERVIEWEE No.712
NOQUOI(のっくわい)
代表 中西 竜司 さん
答えはシンプル
いつも自分の中にあるのは、「面白いと思ったこと、格好いいことをしたい」ということ。その手段が自分にとって「コーヒー」であって、今、昭和町でコーヒー屋をしています。
コーヒーが面白いと思ったのは、専門学校を辞めて東京の飲食店で働いていたとき。特別にこだわったコーヒーを出す店ではなかったのですが、そこから興味を持ち、29歳で自分の店を出すまでずっと独学でコーヒーを学び続けました。
NOQUOIという店
自分のコーヒー店の原点は、延広町で友人が営んでいた店の空店舗からです。店名「NOQUOI」は、その友人の店の名前を引き継いだもので、「誰も理由を知らない」という意味のアナグラム、簡単に言うと造語です。延広町の店は、大家さんの都合で出なければならず、今の場所に移転しました。新しい家主である企業の社長に、直接やりたいことをプレゼンしたところ、「やるなら長くやって欲しい」とあたたかい言葉と賛同をいただき、この場所で店を続けることができたのです。
店にとって生命線とも言えるコーヒー豆は、絶大な信頼を寄せる駅家町の焙煎士・安藤さんに依頼したオリジナルブレンドです。何かを一緒に作ったり、食材を仕入れることにおいて、距離が近いことや地元産であるということは、なるべく譲りたくない条件です。いくつかの候補の中からこの人だと直感して、唯一連絡を取った結果は〝ドンピシャ〟。最初の試作から限りなく理想に近いものができていて感動したのを覚えています。数回の試作を経て完成したブレンドは、今も店で出し続けている味です。
おいしいものを出す
店のコーヒーに使うのは、オリジナルブレンドの浅煎り・中煎り・中深煎りの3種類。ハンドドリップでは好みのブレンドが選べ、ラテなどエスプレッソ系のメニューに使うブレンドは日替わりにしています。
コーヒーを淹れる工程は、豆を挽くところも、エスプレッソに牛乳を注ぐところも、すべて好きです。もともとおいしいものを、さらにおいしくできるように、一杯ずつ心を込めて淹れています。焙煎士さんの看板も自分が背負っている、それほどの想いで淹れているので、適切に管理して、新鮮なものをきちんと正しく調理することを常に心に刻み、提供しています。
店で出すメニューは、あくまで自分軸。インスピレーションのもとになるのは、普段の友人との会話や遊び、見たことや経験から得た「面白そう」で「格好いい」と思ったことです。楽しみながら妥協せずに試作し、自分がおいしいと思ったものしか出していません。
今度新たにフードメニューとして加えるのは、笠岡で食肉牧場を営む友人が作る牛スジカレー。2月頃から営業時間の12時〜18時の間提供できるよう、今、友人と一緒に準備を進めているところです。
■ PROFILE
1985年生。福山市出身。高校卒業後、東京都の服飾専門学校へ進学。東京、福山での飲食店勤務を経て、2013年独立、延広町にNOQUOIをオープン。2014年4月に昭和町へ移転、現在に至る。
■ SHOP DATA
NOQUOI(のっくわい)
広島県福山市昭和町6-1
TEL:084-961-3218