【異業種リレーの「わ」No. 725 】「地域家電店を未来に」

INTERVIEWEE No.725
沖電機株式会社
代表取締役社長  沖 和真 さん(34)

地域家電店の五代目社長

 城見町で、60年続く地域家電店を経営しています。曽祖父、祖父、父、母、私と、家族で会社を営んできました。
 事業の柱は、一般家庭への家電販売やリフォーム工事と、法人への電化製品・空調・照明の納品、付帯工事です。強みは、“地域”家電店ならではの小回りの良さ。例えば、電球が切れたなどの困りごとにも「沖さんに電話しよう」と頼ってもらえる存在であることが自慢です。ご相談に対しては、できる限り力になれるよう動くのがうちらしいところ。鍵が壊れて入れないとお電話をいただいたこともありますよ。専門外ですが、そんな場面でとっさに思い浮かべてもらえて嬉しかったですね。

手探りの5年間

 5人きょうだい、上から2番目の長男です。家業を継ぐように言われたことはありませんでしたが、私に継いで欲しいのだろうな、私が継ぐのだろうなと、子どものころから感じていたことは確かです。
 敷かれたレールから外れてみようとしたこともありますよ。専門学校、社会人と大阪で過ごしたんですが、25歳の時に父が体調を崩し、福山に帰ることになりました。家を出たからといって特別にやりたいと思うことも見つからなかったですし、今となってはこれで良かったのかなと思っています。
 仕事は、いち営業社員からのスタートでした。知識が全くなかったので、全国の地域家電店から研修生が集まる施設で、経営の仕方や家電の設置、修理など、今後に必要な知識を3か月学んでから、会社に戻り経験を積みました。
 入社から1年半で、父が他界。営業や現場のことはわかるようになりましたが、父から会社のことをまだ教わっていませんでした。父のあと社長に就任した母も、全てを把握しているわけでは無かったため、それからの会社経営は全くの手探り。余計なことを考えないように、休みはとらず仕事で時間を埋めて不安を掻き消すようにして過ごしたほどです。
 父が亡くなって5年、営業、現場、経営のことがざっと把握でき、落ち着いたタイミングで社長に就任。社員と会社を守らなくてはと、より一層の責任感が芽生えました。

未来は明るい

 地域家電店の全盛期は、60〜70年代と言われ、私自身も過去のもの、と思っていましたが、入社から10年たち、今はこんな風に思うんです。「地域家電店の未来は明るい」と。
 地域家電店には、数字だけでは語れない素晴らしさがあります。業務上、お客様のプライベートな空間に上がらせてもらいますが、そこで築いた関係は会社の財産ですし、一家に一人、家電の担当者をつけることで、お客様には生活の安心を提供することができるビジネスで、需要はあると感じます。
 私は「福山に沖電機あり!」といわれる日を目指し、機動力により磨きをかけ、“福山の地域家電店”として存在感を高めていきたいと思います。

■ PROFILE
1986年生。福山市出身。大阪の専門学校に進学し、建築設備を学ぶ。卒業後、大阪の会社で営業職として勤務し、2011年、実家である沖電機株式会社に入社。2018年10月、代表取締役社長に就任

■ SHOP DATA
沖電機株式会社
広島県福山市城見町1丁目3-34
TEL:084-922-4495

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