昨夏の豪雨災害を受けて2019年5月12日、福山市消防団が水防訓練を実施した。場所は草戸大橋下流の芦田川左岸河川敷。毎年5月には、ここで新入団員の規律訓練などを行なっており、これにあわせた全市的な水防訓練は初めて。
この日、総勢914人が参加した訓練において、水防訓練の中心になったのは、班長以上の572人。新入団員123人と女性分団員50人も規律訓練(号令調整や部隊行進など)を終えて加わった。
まずは、袋の中に土砂を詰めて重ねることで、水害時の応急対策に用いることができる土ど のう 嚢作りから。2人1組で、袋に7〜8割程度の土をスコップで入れ、袋の上部を紐でスピーディでほどけにくい結び方で縛り、約1 4 0 0 個作った。
次は、これを使いながら積み上げ方の訓練。ブルーシートの上に平らにならすようにして、隙間無く重ねていく。最初にいかに同じ大きさの土嚢が作れたかで、水防の効率が変わることを学びつつ、シートで巻くことによって、その違いもカバーした。
さらに、土手を利用して、法のりめん面(人工的な斜面)の崩れや流出を防ぐためのシート張り工法も学んだ。一人ではできない作業でもあり、道上分団一班の渡辺仁之部長(神辺町41歳)は「昨年は水路に土のうを積み、シートも張った。今回学んだ技術を持ち帰って他の団員に伝え、災害時にいかさなければ」と他の団員の実践も見つめていた。
作った土嚢は、市役所や支所、水防倉庫に配備、有事に備える。