【追記あり】賢忠寺の寺宝、福山城博物館の特別展に /賢忠寺学園の園児、特別展を見学

賢忠寺の寺宝、福山城博物館の特別展に 「まず無いこと」2点揃って寺外へ
【追記あり】賢忠寺学園かなりや幼稚園の子どもたちが「勝成様の宝物」見学

水野勝成公ゆかりの広島県重要文化財、特別展で展示

水野勝成公の菩提寺、賢忠寺(福山市寺町)が所有する寺宝が、
福山城博物館 リニューアル記念特別展に出展されるため、調査、検品の様子が報道公開された。

寺宝は広島県重要文化財にも指定されている2点。

1つは、勝成公が関ヶ原の戦い(大垣城攻め)で着用した甲冑 「革包茶糸威二枚胴具足」(かわづづみちゃいとおどしにまいどうぐそく)。脇腹に鉄砲傷と思われる痕が残る。

もう1つは掛け軸「絹本著色水野勝成画像」(けんぽんちゃくしょくみずのかつなりがぞう)。

最もよく知られている勝成公の顔、姿は、この肖像画。

福山城築城後の正装した姿を描いたとされる。

同寺の二三世 水野覚禅住職によれば

「どちらもとても大切な品で、ほとんどの依頼をお断りしているため、寺の外に出すことは滅多になく、揃って出すことはまずない」とのこと。

「今回、築城400年、賢忠寺もこの8月で創建400年という記念すべき年で、博物館リニューアル後の初めての特別展ということもあって光栄に思い、お受けしました」と静かに語る。

学芸員による調査、美術品専門業者が搬出

831日、福山城博物館の皿海弘樹学芸員が訪れ、美術品専門業者によって梱包が解かれると、白い手袋をつけた手で丁寧に扱いながら細かい部分まで現状を確認してメモ、撮影した。

気付きを住職と確認を取った。

現状を損なわないよう配慮すること、傷や破損などが、従来からのものか今回の搬出搬入、展示によるものかきちんとさせておくことが目的。

どちらも約400年を経ているにもかかわらず、とても保存状態が良いという。

甲冑は、鉄の板を革で包んで漆を塗ったもの。「派手ではなく質実剛健な気質が現れていて勝成らしい」。

「いいですねぇ、実物は。ありがたい」。肖像画は、いつもは複製が博物館に飾られており、本物とナマの〝対面〟を喜んだ。

住職も「無事に送り出せてほっとしています。滅多に無い機会ですので、来館する人にしっかり細かいところまで見ていただければ」と語った。

特別展は10月1日から

福山城築城400年と福山城博物館のリニューアルオープン(2022828日)を記念する特別展は、「水野勝成と徳川四天王−神君家康の守護者−」。101日から1120日まで。

福山藩祖勝成と家康、徳川四天王(酒井忠次、本多忠勝、榊原康政、井伊直政)を紹介する。

賢忠寺は

水野勝成公が、父親の菩提を弔うために開いたお寺で、福山城と同じ1622年(元和8年)の創建。
曹洞宗の寺院で、山号は山陽山。蔵王町の山の中腹に奥の院がある。
寺宝は他にも勝成が従兄弟の徳川家康から寄進された400年前の砂時計など多数。
歴代福山藩主の墓所は広島県指定史跡で、本堂からJRの線路を挟んですぐ北側(若松町)。
初代勝成と、三代勝貞、四代勝種、五代勝岑などの墓がある。

賢忠寺学園かなりや幼稚園が「勝成様の宝物」を見学

水野勝成公菩提寺の賢忠寺(寺町)が設立した、かなりや幼稚園の年長児148人が10月4日、福山城博物館で開催中のリニューアル記念特別展「水野勝成と徳川四天王」を見学した。 この展示には、賢忠寺の寺宝で勝成公の墓参をし、同園園歌で〝水野勝成様のように〟と歌う園児にとって、勝成公はとても馴染み深い人物。ゆかりの品に、園児たちは熱心に見入った。
水野覚禅園長や先生が甲冑の脇を示し「ここに鉄砲傷があります」と説明すると「大丈夫だったの?」と心配そうな園児たち。「そのあと88歳まで生きたんですよ」と聞いてホッとした様子を見せていた。

園児たちは、最上階からの眺めも楽しみ、歓声をあげた。

 

福山市立福山城博物館

広島県福山市丸之内一丁目8番

開館:9時~17時

休館:月曜(月曜日が祝日の場合 次の平日)、年末(12月28日から31日まで)

料金:一般500円(予約制/福山城博物館公式ホームページから)

問合せ:084ー922-2117

 

トロッコview

以前、二二世 水野覚巖住職(現在は退薫されて東堂に)から、第2次大戦中の終戦間際、寺宝は牛車に乗せて疎開をはじめたが、1945年8月8日の福山空襲で、被害を受けた寺に残されたものが多かったと聞いた。
「もう1車運び出しが間に合っていれば」と悔やまれていた。
甲冑と肖像画が、どこへ保管されていたか明らかにはされていないが、いずれにしても命がけで守ってきた寺宝のひとつと思われる。

過去に、本物が特別展に展示されているのを目にしたことがある。ガラスケースの中で静かにそこにある、といった様子であった。
今回、梱包が解かれた鎧や掛け軸は、学芸員の手でしなやかに動き、今なお宿る生命感を感じた。

「検品や梱包、学芸員さんとのやりとりを公開するのは初めて。以前大変興味深かったので、報道の方を通じて多くの方に知ってもらい、築城400年を盛り上げたいと思いました」と企画された覚禅住職。
福山城と同時に寺が400年を迎えた、節目の心意気も伝わってきた。

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