Vol.38 下肢静脈瘤の硬化療法について

Q. 下肢静脈瘤の硬化(注射)療法はどんな治療法ですか。

A. 下肢静脈瘤の治療の原則は下肢の静脈血のうっ滞をなくすことで、静脈瘤自体を取り除かなくても、静脈瘤内の血液のうっ滞がなくなれば良いわけです。そこで、静脈内に硬化剤(血液を固めて血栓を生じさせる)を注入して静脈の壁がお互いにくっついた状態にして、静脈をふさいでしまおうという方法が、硬化療法です。

 初めての硬化療法は、1870年に無水アルコールを用いて、Montegioという人が行いました。その後、硫酸キニーネなど様々な硬化剤が使用されてきましたが、麻酔の進歩により手術が安全に行われるようになり、硬化療法は行われなくなりました。

 硬化療法が再び脚光を浴びるようになったのは、1950年代に硬化剤注入後に圧迫療法の有効性が指摘されてからです。このころから有効かつ安全性の高い硬化療法も開発されています。

 その後、硬化療法後の再発率が高いというデータが発表され、クモの巣状や網目状静脈瘤などの治療を除いて、硬化療法は次第に行われなくなりました。

 しかし、2003年、ヨーロッパの専門家たちにより、硬化剤と空気を混ぜて気泡状にして静脈瘤に注入する、〝フォーム(気泡状)硬化療法〟が発表されて以来、日本でも網目状静脈瘤や陰部静脈瘤などの治療に積極的に行われています。

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