昨今は御朱印ブームのようで、これに応えて観光地のお寺では様々な種類の御朱印帳が販売されているようです。先日、お参りで台湾を訪れたのですが、ちょっと立ち寄ったお店で、私が日本の僧侶であることを告げたところ「御朱印を書いてほしい」とせがまれました。日本の御朱印の存在は海外にまで知られているようですね。
御朱印といえば、少し前までは四国霊場や西国霊場など、巡拝の際に頂くものという感覚でしかありませんでしたが、今や訪れる寺社ではどこでも頂戴できる習慣が浸透してまいりました。当山でも時折、御朱印の依頼があり有り難いことです。
しかし、中には御朱印だけ求められて、本堂にも手を合わせずに帰っていかれる方もあり、これは残念なことです。御朱印とは、寺社に参拝して、その証として頂戴するものなのです。ただのスタンプラリーではありません。特に真言宗では、御朱印の文字や印をご本尊様の御分身としてお授けしているのです。頂いた御朱印は、粗末にならないように参拝した寺社の神仏であると想って大事に扱ってください。