INTERVIEWEE
株式会社グッド・サークル
代表取締役 小野 芳光 さん(68)
全て自社の社員が設置・施工
リフォームや太陽光発電システム設置、オール電化など多岐にわたる業務を、下請け業者や中間業者を介さず一貫して請け負うことができるグッド・サークル。というのも大工、建築士、給水装置工事主任技術者、電気工事士など、多ジャンルにわたる有資格者と熟練の専門職を、自社の社員として抱えているから。創立者でもある社長の小野さんは「特殊な分野で活躍する社員が集まっていて、依頼も困りごとも直接受けたり解決したりできます。ちょっと珍しい会社でしょう? 社員が財産です」と語る。
「おたすけ隊」の会社です!
この多用性を活かして、日常の「困った!」をサポートしてくれる《おたすけ隊》の会社でもある。神辺・駅家・御幸を中心に、家具の移動やコンセント増設、水漏れ解決など、日常の不便や困りごとを1ヶ所千円〜の気軽な作業料で解決し、喜ばれている。
「ちょうど10年前のことになりますが、東日本大震災で現地に入った自衛隊の姿を見たとき、自分は地域で何ができるんだろうと鳥肌が立つような思いで問い直したことがきっかけで、この事業を始めました。高齢者や一人暮らしの方にとっても嬉しく、いざというとき気軽に頼れる心のよりどころになれたらとも思っています」。
頼れる社員を育てるのも、小野さんが力を入れているところ。入社時は仮に未経験でも、働きながら技術を身に付けられるよう、資格取得を後押しする。「そうして育ってくれた社員は、お客様からの“ありがとう”以外に、給料面でもやりがいを感じて欲しいので、しっかりした“分配”をと考えています」。社員が家族と安心して生活できる数字を示すことも心がける。
プライベートでもできることを
「ところで、あれが私の車ですよ」。小野さんが指差した先には、国産の軽自動車があった。「運転主付きの高級車に乗っていると思われましたか? こういうところを節約する主義なんです」。また、2015年からは、ポケットマネーで、生まれ育った山野町に1千本の桜を植えて、世話をする活動をしている。「まだ若い木ですが、やがて桜の名所になってくれるでしょう」。生産性があるものはできないかという声を受け、山野町で養蜂にも取り組むようになった。その成果は《明日花のはちみつ》とラベルが付けられた瓶に詰まっている。「故郷のために、何か自分にできることがあればいいなと思うのです」。
小野さんがこの会社を設立したのは1977年(昭和52年)のこと。「サラリーマンをしたのは、わずか400日でした」。以来、社員を大切にしながら、公私ともに頼られる存在として精力的に根を張り、今がある。「グッド・サークルって、何だか面白い社長がいるみたい、と興味を持ってもらえたら嬉しいですね」と表情を緩めた。
INTERVIEWEE DATA
株式会社グッド・サークル
広島県福山市東深津町4-17-33
TEL:084-926-2316