40歳を越えたころから若干好みが変わった。
肉好きは相変わらずだが、「美味しいものを少し」となった。
若いころ一番好きだったロースも影をひそめ
最近は脂身のすくない、でも肉の味がしっかりわかる
ハラミ、そして贅沢だが希少部位のお肉を楽しむことを覚えた。
僕にそれを気づかせたのは年齢だけじゃない。
いい店を開拓できたからだ。
福山の奈良津町にある、炭火焼肉こう。
いろんなお店がある中で、たぶん僕の終のお店となる焼肉屋さんだ。
店内はとにかく清潔感があり、落ち着ける。
テーブル席、掘りごたつとあり半個室のように仕切られている。
押しつけがましくない美味しさには、オーナーの想いが隠されている。
美味しいお米は、少量ずつ釜でたかれる。
お肉をさらに美味しくさせる炭は備長炭。
しかも提供される前の火加減が最高なのだ。
客席から見える冷蔵庫には、所狭しと大きなブロック肉が部位ごとに並んでいる。
オーダーが入ってから丁寧にカットされるお肉は
赤みを増した最高の状態でテーブルに運ばれる。
しかも、けっして高くないのだ。
大好きなタン塩も、ホルモンも驚きの価格だ。
家族にも喜ばれ、取引先さんとも来れて、会社の後輩も連れてこれる。
そう、僕にとってこの店は
子ども達に愛され、お客さんにも感謝され、後輩を誘ったら絶対断られない
とても、そう本当に大切なお店。
広島県で初めてユッケを再開したのも実はこのお店だ。
安心・安全なお肉が何の心配もなしに食べれることはとっても幸せなんだ。
ユッケや生レバーが食べられなくなったあの頃、本当に残念だったから。
高校の調理科をでて早25年、焼肉歴20年のオーナーの肉へのこだわり。
実直で、たまに見せてくれる笑顔につられて
僕は今夜も、お店のドアをあけておいしいお肉を食べるのだ。
あと20年は、肉食男子でありたいものだ。