【異業種リレーの「わ」No.814】鮮度と素材の味重視 朝びき鶏と魚をシンプルに

INTERVIEW No.814
炭火焼 壱 ー いち ー
オーナー 田上 嘉信 さん(39)

会社勤務→再び飲食店経営

昨年6月、約10年営業職として務めた会社を辞めて開いた店が「壱ーいちー」です。
といっても飲食業界は初めてではなく、その前の10年は福山市内で料理長や店長を任され、自分で居酒屋を開いていた時期もありました。なので店名の「壱」は、私が一番最初に持った店でなくて今やっている1つ目の事業という意味です。2つ目の事業は軽貨物宅配業で、こちらは「荷乃弐」と言います。
もともと飲食の仕事が好きでこの道に進み、天職と思ってやっていましたが、幼い我が子と一緒に過ごせる時間を大切にしたくて、土日祝が休みで夕食を一緒に食べられるサラリーマンになりました。10年頑張って子どもにも家族以外の世界が広がってきた頃、やっぱり飲食がやりたいという思いは変わっていなかったので脱サラ。友人が勧めてくれたこの物件が、出身地の駅家に近いのも気に入って、ここに決めたんです。

譲れない名物、朝びき鶏

新鮮な朝びき鷄(朝ジメ鶏)を使った料理が名物。鶏肉専門店から朝処理した鶏肉を仕入れており、希少部位も扱います。特に湯引き刺身は、ささみのほかに肝、砂肝などもあり、たたきなども鮮度がモノを言いますので、その日のうちに食べていただきます。焼き鳥も喜んでいただいていると思いますよ。串打ちしながら、20歳からずっと焼いていましたからね。焼く頃合いというのは長年の勘が頼り。正直自分が焼いたのが一番うまい、と思っています。
魚も鮮度重視で私が毎朝市場に出向いて仕入れ、素材の味を活かす、創作しすぎない料理を心がけています。その日出会った魚は、黒板の「本日の逸品」でチェックしてください。
お酒のほうは自分のこだわりというより、お客様の好みで仕入れます。地元、天寶一を中心に近い蔵元のがよく出ます。焼酎のボトルキープは嬉しい誤算で棚が足りなくなって…。先日2回目の増設をしたところ。また次に、と思っていただけるのが本当に有難いです。

弐に続く参、肆、伍のために

小さな店ですが、公式アプリも導入し、予約やポイント付与、限定クーポンと便利に使っていただけるようにしました。
今、昼はオニギリ屋をやろうかと思案中です。たいていのお客様が〆に注文される意外な看板メニューにオニギリがあるんですが、ごはんをこう、台の上でまとめるようにした、にぎらないオニギリです。口に入れるとホロッとほどけていくような。店のロゴをよく見てもらうと、オニギリの文字があるくらい力を入れています。開業したら事業名に「参」を入れます。
現在は、「肆」「伍」までの展開が頭にあって、人さえいればできる状態。ただ任せられる人を育てるのは時間もかかり、オープンから1年ちょっとで、さすがにまだ追いついていません。今は即戦力も必要ですし、どれだけリーダー的存在に育てていけるか、人材が重要です。

■ PROFILE
1984年生。福山市出身。福山駅前の飲食店に務め、10年で料理長や店長を経験後、居酒屋を経営。その後10年会社勤めして脱サラし、「壱」をオープン。軽貨物業「荷乃弐」も営む。

■ SHOP DATA
炭火焼 壱 ー いち ー
広島県福山市御幸町森脇443-13中号
TEL:050-8884-3800
https://fukuyamaichi.owst.jp
公式アプリ「炭火焼 壱」

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