福山港旧フェリーターミナル(新涯町2丁目)から、「弓削丸(ゆげまる)」が出航!
11月12日と13日、国立弓削商船高等専門学校の練習船に、一般公募による乗客が乗り込んだ。
船の全長は40m。幅は8m。
総屯数240トン
試運転最大速力約13.75ノット
弓削商船の船長をはじめ6人の職員と、同校で学ぶ17歳から22歳の9人がサポートにあたった。
船内の最上階に位置する「ブリッジ(船橋)」には、航海計器や警報類、海図などがが集中装備され、このブリッジで子どもたちは、船長の指示にあわせて舵を切った。
船内は自由に散策でき、密にならないようにとウォークラリーも開催。
普段はもちろん、乗船見学時もあまり目にすることがない機関室も公開された。
ミニクルーズに先立って式典があり、
弓削商船の石田校長は、「福山港築港400年、福山城築城400年で歴史の深さに改めて感銘を受けた」。
加藤船長は、「福山港と海の魅力を感じていただけるよう、安全運転に務める」と語った。
福山港は、初代福山藩主 水野勝成公が1622年に外堀と海を結ぶ1.4キロメートルの運河を開削したのが始まり。
1934年に内務省指定港湾となり、
1962年に日本鋼管福山製鉄所の誘致決定に伴って港湾造成、航路浚渫(しゅんせつ)が開始された。
1956年開港、出入国港、検疫港に指定。
その30年後には国際コンテナ定期航路が開設された。
2005年に箕沖の国際コンテナターミナルの供用を開始。
このクルーズはもともと、福山市みなと事業推進委員会(委員長:市川清登建設局長)が開催を予定していた「ふくやま港まつり」内で行われる予定だったが、
会場である福山港国際コンテナターミナル(箕沖町)において,特定外来生物のヒアリが発見され、まつりが中止に。
ミニクルーズについては、事前応募で当選していた256人を対象に、場所と時間等を変更して実施された。
弓削丸の体験航海は、ふくやま港まつりで初実施。
実際に風を受けて海から港を観ることができるのがいい。
と同時に今回、寄港が叶わなかった帆船にも思いを馳せた。
以前、「海王丸」「日本丸」が港まつり会場の国際コンテナターミナルに寄港した感動は今も鮮明だ。
昼間には帆を張る様子を眺めに、夜はライトアップされた帆柱を、さらには出港日の登檣礼まで足を運んだ。
青い空に風をはらんだ白い帆、夕空から夜にかけて背景の趣をかえていく電飾、人が豆粒ほどに見える高い帆桁(ヤード)に登り、「ご〜きげ〜んよ〜う」と手を振る姿、その全てが今も蘇ってくる。
近年、帆船の老朽化とともに伝統的な航海術の必要性を疑問視する声も聞かれ、新しい帆船を造るか延命修繕でしのぐか、それともーと注目も集まる。
港の親善大使のような人を集める美しい姿、乗組員の規律や礼儀、チームワークの必要性、そういった一つ一つが感動を呼ぶ帆船をぜひとも残してほしい。
来年のふくやま港まつりは、帆船と弓削丸が並び、多くの羨望の眼差しを集めますように。