【半田舎料理 おか星/岡田 順】   創作料理と自然栽培と神職が融合

INTERVIEWEE
半田舎料理 おか星(はんいなかりょうり おかぼし)
代表 岡田 順 さん(49)

古民家で楽しむ半田舎料理

 「半田舎って何?とお客様からよく聞かれます。都会でもない田舎でもないこの場所で、世田谷で20年携わった創作料理と伝統の和食技術と半々。2つの意味の〝半田舎〟をイメージしました」。そうにこやかに語るのは、生まれ育った築100年の古民家を改築・改装して2016年秋に開店した、代表の岡田さん。
 昼のオススメは、おか星の人気メニューがお膳に並ぶ「本日のランチ」。どこか懐かしい、やさしい味の中に、手間を惜しまない繊細さが光る。必ず入るのが「根菜の揚げだし団子」。ある日の根菜は、里芋の親芋、サツマイモ、長芋、レンコン。「これを目当てにという方も多く、うちの定番を旬の食材でより美味しくを心がけたスタイルにしています」。

調味料だけに頼らない美味しさ

 実は、ランチに使われる野菜のいくつかは、農薬にも肥料にも一切頼らない自然栽培農法によるもの。岡田さんは、神辺町に拠点がある「びんご自然栽培研究会」に所属しており、お米は、自分で籾から発芽させて丹精込めた伊勢米を使用、黒豆ゼリーの黒豆も自然栽培のものをと決めている。「素材の持つ味をひきだすことで、調味料に頼らない料理を心がけています」。おか星以外には無い、繊細な味わいが生まれる秘密のひとつだ。「体にやさしくて飽きない。そして発見がある!がテーマです。野菜をもっと美味しく食べてもらえる料理を日々考えるのが私の楽しみです」。昼とは逆に、夜のコースでは、遊び心を発揮した新メニューも提案している。

エプロンを白装束に付けかえて

 東京から故郷に戻って店を開くにあたり、祖父、叔父の後を継いで神職に就くと決意。「地域を守る一員として、氏子さんに支えられながらの奉仕」と位置づけ、下加茂で1千年の歴史を刻む倉神社の宮司を務める。時には、挙式やお食い初めを司った後、すぐ料理のために厨房へ。白装束からエプロンへ付けかえたこともあるという。「本職はどっち?と聞かれたら、経験年数的にも迷わず料理人と答えますよ。いつの間にか神主が料理をする店で定着しましたけど」と気にする風もなく目元を緩ませた。「料理、自然栽培、神職。地元に帰って、うまく歯車が合ってきた気がします」。近いうちにオリジナルの焼き菓子と喫茶の時間帯も作りたいと考えており、「もっとゆっくり過ごしてもらい、手土産でも楽しんでもらえるように」と思い描いている。

INTERVIEWEE DATA
半田舎料理 おか星(はんいなかりょうり おかぼし)
広島県福山市加茂町下加茂574
TEL:084-961-3131

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